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//August 20//

休養期間が終わり、文化祭の準備が再開された。

準備は忙しかったが、日々は充実感に満ちている。

自分の体調に気づかないくらい……。

【孝平】「ごほっ、ごほっ」

【瑛里華】「頑張るのはいいけど、体調崩してどうするのよ」

【伊織】「病人に憎まれ口たたくことはないだろ」

【伊織】「すまんな、口の悪い妹で」

【伊織】「これでも、風邪の話を聞いたときには、大慌てしてたんだけどね」

【瑛里華】「余計なことは言わなくていいの」

【瑛里華】「ほら、あとは私に任せて」

【伊織】「やれやれ」

会長を部屋から出そうとする瑛里華。

【伊織】「あれだ、支倉君、頑張りすぎだよ」

【伊織】「まあ、ゆっくり休んで、またバリバリやってくれ」

【孝平】「了解です。すみません会長」

【伊織】「いいっていいって」

軽く手を振って、会長は出て行った。

【孝平】「大慌てだったのか」

【瑛里華】「アホ」

【孝平】「ぐほっ」

布団の上から腹をたたかれた。

【瑛里華】「慌てるに決まってるでしょ、バカ」

ぷいっと顔をそらす瑛里華。

【孝平】「すまん」

【孝平】「でも、あれだぞ」

【孝平】「風邪うつるし、瑛里華もそろそろ」

【瑛里華】「大丈夫、私、病気にならないから」

瑛里華が肩をすくめる。

【孝平】「あ、そうか」

【瑛里華】「だから心配しないで」

【瑛里華】「しっかり看病してあげる」

【孝平】「悪いな。でも仕事は大丈夫か?」

【瑛里華】「病人は、余計な気を回さないの」

【瑛里華】「じゃ、ご飯作るね」

そう言って、瑛里華はテーブルに荷物を広げはじめる。

【孝平】「レトルトでいいぞ」

【瑛里華】「それじゃ寂しいでしょ。一手間加えるわ」

【孝平】「ありがとう」

【瑛里華】「いいのよ。その代わり、早く元気になって」

部屋に包丁の音が響いた。

どこからか、調理道具を調達してきたらしい。

なんか、嬉しいな。

俺は天井を眺めながら、その音に耳を澄ます。

幸せな気分になってきた。

【瑛里華】「孝平さ、ちょっと頑張りすぎなんじゃない?」

【孝平】「そうか?」

【孝平】「みんなと同じくらいしか働いてないと思うが」

【瑛里華】「夜、遅くまで起きてるでしょ?」

【孝平】「文化祭のネタ考えなくちゃならないしな」

【瑛里華】「結局、思いついたの?」

【孝平】「だいたいは」

【瑛里華】「へえ、どんなの?」

【孝平】「秘密」

【孝平】「瑛里華に驚いてほしいし、それに楽しんでほしいからな」

【瑛里華】「あら、そう言われたら聞けないわね」

企画は俺の胸の中にある。

低予算で喜んでもらおうとすれば、大事なのはアイデアだ。

何日もかかって、ようやく「これぞ」ってのを思いついた。

【孝平】「ま、楽しみにしててくれよ」

【瑛里華】「ふふふ、そうね」

ふわりと、ネギの香りが漂ってくる。

【孝平】「なに作ってくれるんだ?」

【瑛里華】「ひ・み・つ」

やり返された。

【瑛里華】「つっ!」

包丁の音がやむ。

手を切ったな。

【孝平】「大丈夫かっ」

ベッドを飛び降りる。

【瑛里華】「平気、ちょっと切っただけだから」

【孝平】「見せてみろ」

【瑛里華】「あ、ちょっと」

瑛里華の手を取る。

左手の人差し指から血が出ていた。

【瑛里華】「いいのよ、すぐふさがるから」

【孝平】「でも、痛かっただろ」

指をくわえようとする。

【瑛里華】「だめっ!」

手を払われる。

【孝平】「おっと」

【孝平】「こういうの嫌だったか?」

【瑛里華】「ご、ごめんなさい。そういうつもりはなかったんだけど」

【瑛里華】「ほら、やっぱり血を吸うって、なんか意識しちゃうから」

【孝平】「そっか。こっちも気がつかなくてすまん」

【瑛里華】「あはは、じゃ、お互いさまってことで」

【瑛里華】「ほ、ほら、もう血は止まったし」

指を見せてくる。

傷はもうふさがっていた。

【瑛里華】「はい、病人は寝ててちょうだい」

【孝平】「ああ」

言われたとおりベッドに戻る。

血を吸うのを嫌がってる瑛里華だから、血を意識してしまう。

ま、気持ちはわかるが……。

ちょっと釈然としない。

【瑛里華】「できたわよ」

【孝平】「おう」

しばらくして声がかかった。

ベッドを降り、テーブルへ向かう。

テーブルには、おかゆがあった。

【瑛里華】「消化にいいかと思って」

【孝平】「いまいち食欲なかったんだけど、これならいけそうだ」

なかなか手の込んだおかゆだ。

白かゆに、ほぐした鮭の塩焼きを載せ、溶き卵をかけ回してある。

レンジにでもかけたのか、卵はほどよく半熟だ。

その上に、たっぷりのアサツキと千切りの生姜が載っていた。

どれもこれも、学校では買えないものばかり。

街で買ってきてくれたのか……。

うれしさで胸をいっぱいにしつつ、レンゲを取る。

【瑛里華】「遠慮なくどうぞ」

瑛里華が向いに腰を下ろす。

【孝平】「じゃ、いただきます」

さっそく口に放りこむ。

【孝平】「あつっ、おっ、ふっ」

【瑛里華】「慌てないの」

笑われた。

今度はしっかり冷ましてから食べる。

鮭の塩気と、卵の甘み……

そして、生姜の香りが鼻に抜ける。

【孝平】「うまい」

【瑛里華】「そう、よかった」

瑛里華が頬杖をついて俺を見つめる。

眼を細め、とてもご機嫌な様子だ。

俺は、おかゆを次々と口に入れていく。

【孝平】「うまい、うまいよ」

【瑛里華】「おかわり、あるからね」

【孝平】「ああ」

食べながら、ぼんやりと幸福感を覚えた。

自分がガツガツと食う姿を喜んでくれる人がいる。

それがどうして幸せなのか、自分でもわからなかったが──

ただ、妙に幸せだった。

【瑛里華】「しっかり食べて、早く治して」

これだけうまいもん食って、薬飲んで寝れば、絶対よくなる。

というより、気持ち的にはもう治っていた。

明日から、しっかり役員の仕事をしよう。

そう誓いつつ、おかゆをかき込む。

そんな俺を、瑛里華はずっと楽しそうに見ていた。

//Another view : Erika//

ぱちりと、扇を閉じる音がする。

言葉を発さぬまま、ただ何度も扇を開いては閉じている。

機嫌の悪い証だ。

【瑛里華】「今日のお呼び出しは、どういったご用件ですか?」

ぱちり。

音だけで返事はない。

……。

この人の呼び出しは、いつも突然だ。

こっちの予定などおかまいなし。

呼びたいときに呼び、用件が済めばすぐ追い出す。

そのくせ、こちらの呼びかけに応えることはない。

つまるところ、それが私たちの関係だ。

もはや悲しみも湧いてこない。

そう。

この人との間には、なんの感情もない。

何も、ないのだ。

【??】「いいかげん、済ませてしまったらどうだ?」

唐突に言葉が投げつけられた。

【瑛里華】「人間とのことですから、慎重にやりたいと思います」

【瑛里華】「急いでは、し損じますので」

【??】「貴様の考えなど、とうにわかっておる」

タバコの煙でも吐きだすように言った。

【??】「あと1年半、ゆるゆるとやり過ごすつもりなのだろう?」

【瑛里華】「いえ、そのようなことは」

ぱちり!

ひときわ高く、扇が鳴った。

……どうやら、この言い訳も限界らしい。

【??】「最近は、ずいぶんと懇意にしているようだな」

【??】「もう、抱かれたか?」

無意識に奥歯を噛んだ。

【??】「ならば、考えることなどないではないか」

【??】「さっさとその人間を眷属にすればよい」

眷属。

【瑛里華】「どうして眷属なのですっ」

【??】「吸血鬼が眷属を作ることに、なんの不思議がある」

【瑛里華】「この時代に、眷属など必要ないでしょうっ」

【??】「輸血用血液があるからか?」

【瑛里華】「はい」

【??】「貴様、あれがどこからともなく現われると思っているのか?」

【瑛里華】「……」

【??】「ま、それはともかくとしても、その人間を眷属にすることになんの不都合がある」

【??】「貴様が懸想しているのなら、むしろ好都合だろう」

【瑛里華】「彼は眷属にしません」

【瑛里華】「他の誰かを探します」

【??】「そう言って、今まで誰も眷属にしなかった」

【??】「そもそも貴様は、はなから眷属など作る気がなかったのだろう?」

【瑛里華】「そんなことは……」

【??】「つくづく、出来損いだな」

【??】「貴様のためを思って言っているというのに」

私のため?

何を、

何を言っているんだこの人は。

【瑛里華】「どこが私のためだと言うのですっ」

【??】「吸血鬼は眷属を持つものだ」

【瑛里華】「兄さんは……兄さんは眷属を持っていないでしょう?」

【??】「ヤツはよい」

【瑛里華】「不公平です」

【??】「言っておるではないか、お前を思ってのことだと」

【瑛里華】「わかりませんっ」

【??】「もうよい、貴様との問答は飽きた」

【??】「期限を設けよう」

【??】「それまでに、眷属を作らねば、館に戻ってもらう」

【瑛里華】「話が違います」

【瑛里華】「卒業までは置いていただける約束です」

【??】「誓約を破ったのは貴様だ」

【瑛里華】「母様っ」

【??】「さて、期限はいつにするか」

だめだ。

何も聞いてはもらえない。

【??】「お前、文化祭とやらにご執心のようだな」

ま、まさか。

【??】「文化祭の前までに決めてもらおう」

【瑛里華】「母様っ!」

【瑛里華】「文化祭だけはせめて……」

【瑛里華】「せめて今のままで、眷属ではない彼とともに過ごさせてください」

【瑛里華】「お願いしますっ」

恥も外聞もなく頭を下げる。

文化祭だけは、

文化祭だけはやり遂げたい。

孝平の企画を見なくては──

【瑛里華】「母様っ、お願いします」

【瑛里華】「お願い、します」

【??】「ほう」

ぱちり。

また扇が鳴った。

【??】「期待には応えてくれるのだろうな?」

【瑛里華】「は、はい、必ず」

【??】「よかろう」

【瑛里華】「ありがとうございます」

【??】「ふん」

【??】「一つだけ言っておくが、逃げれば男を殺す」

【瑛里華】「っっ!」

殺す!?

孝平を殺す?

いや、冗談ではないだろう。

この人にとっては、虫を殺すのも人を殺すのもたいして変わらないのだから。

【??】「下がれ」

【瑛里華】「は、はい」

夜だというのに、外気はぬるく、じっとりと肌にまとわりつく。

結局、こうなってしまった。

わかってたはずだ。

遠からず、こうなることは。

私はどうするべきだったのか……。

「べき」論なら答えは決まってる。

付き合うべきではなかった。

好きになるべきではなかった。

血を吸わず、眷属を作らず、あの人の言葉に抗い続けると決めたなら──

人と交わりなど持つべきではなかった。

愚かだ。

人ではない者の存在に驚いたのか、森の鳥が騒ぎ始める。

愚か者!

貴様は選択を間違った!

好きになるべきではなかった!

支倉孝平を不幸にしたのはお前だ!

あざけりの声が私を包む。

【瑛里華】「わかってるわよっっ!!」

【瑛里華】「わかってるわよ……」

【瑛里華】「そんなの……わかってるわよぉ……」

立っていられない。

地面にうずくまる。

目から溢れたしずくが、道にぱたぱたと落ちていく。

【??】「ま、それはともかくとしても、その人間を眷属にすることになんの不都合がある」

【??】「貴様が懸想しているのなら、むしろ好都合だろう」

好都合?好きな人を血液タンクにして何が好都合か。

好きな人が、ずっとそばにいてくれるから好都合か?

なぜそんなことが言える?

飽きるほど生きてきて、どうしてわからない?

おかしい。

狂ってる。

好きな人を眷属になどできるわけがない!

【瑛里華】「……」

彼が私を選んでくれるからこそ価値があるのだ。

時とともに通りすぎる無数の選択肢の中で、私を選んでくれるから喜びがある。

価値があるのは選択であり、結果じゃない。

選択肢を奪うことは、命を奪うに等しい。

揺らぎも自由もなくなれば、それは石と同じ。

そうだ。

初めから答えは決まっている。

考える余地などない。

【瑛里華】「眷属になんて、しない」

立ち上がる。

もう、迷いはない。

……。

そう言えば、一つだけあの人に感謝できることがあった。

次に会った時には伝えよう。

迷いを取り除いてくれてありがとう、と。

//Another view ends//

//September 2//

2学期が始まって二日。

9月とはいえ、日中の陽気は夏そのものだ。

【青砥】「今日のホームルームでは、文化祭のクラス企画を決定してもらう」

【青砥】「それじゃ文化祭実行委員、後は頼んだぞ」

そうか。

クラスはこれから準備を始めるんだな。

こっちは1学期から準備に取りかかってるし、頭の中はもう文化祭のことでいっぱいだ。

【陽菜】「孝平くんは、クラス企画に参加できるの?」

【孝平】「俺はあっちがあるから難しいと思う」

【陽菜】「そっか、残念」

【陽菜】「でも、絶対見に来てね」

【孝平】「ああ、わかった」

今回は、全来場者を対象に「気に入った企画アンケート」を実施する予定だ。

もちろん、ベスト3には商品が出る。

うちのクラスには頑張ってほしいな。

文化祭実行委員の仕切りで、会議が進んでいく。

いつものホームルームとは違い、なかなか白熱している。

【司】「……ああ、まだやってんのか」

いつもなら最後まで寝ているヤツも、途中で目を覚ますくらいだ。

【孝平】「喫茶店に決まりそうだ」

【司】「またか」

【孝平】「だから、なんかヒネリを入れようって話になってる」

【司】「あそ」

【孝平】「ところで、例の件、いけそうか?」

【司】「任せろ」

【司】「あそこは寿司勝の常連だ。顔は通ってる」

【孝平】「頼むぜ」

【司】「へいよ」

【陽菜】「孝平くん、なんか意見ない?」

【孝平】「俺はクラス企画には参加できないって」

【陽菜】「意見出すくらいならOKだよ」

【陽菜】「むしろそこで貢献してみるとか」

【孝平】「まあ、そうか」

【陽菜】「ということで、○○喫茶に当てはまる言葉を考えて」

【孝平】「じゃあ……」

教室をぐるりと教室を見回す。

なんかネタはないか?

紅瀬さんが小説を読んでいる。

【孝平】「激辛喫茶……とかな」

【司】「支倉が激辛喫茶だってさ」

いきなり挙手する司。

【孝平】「おいこら、冗談だって」

【陽菜】「孝平くん、盛り上がってるよ」

【孝平】「はあ!?」

【司】「しかし、どういう喫茶だ?」

【孝平】「知らん」

【桐葉】「とても辛いのよ」

まあ、字面通りなら。

【孝平】「紅瀬さん、もしかして乗り気?」

【桐葉】「激甘よりは」

【陽菜】「何が辛いのかな?」

【孝平】「タコヤキに外れがあるとか」

【陽菜】「ああ、あるあるそういうの」

メモり始める陽菜。

こんな光景が、教室のそこかしこで展開されている。

【司】「名前勝ちだな」

【陽菜】「どういう内容か、想像したくなるもんね」

【桐葉】「サドンデス」

【孝平】「物騒なこと呟くな」

【桐葉】「そういう調味料があるのよ」

【司】「食えるのか?」

【桐葉】「即死するわ」

【孝平】「ストレートなネーミングだな」

【陽菜】「サドンデスという調味料……と」

それもメモるのか。

放課後。

【瑛里華】「あのさ、孝平のクラスの企画なんだけど」

さっそくまとめられた企画一覧に目を通し、瑛里華が言う。

【孝平】「そういうことになった」

【伊織】「なになに……『激辛喫茶HASEKURA』」

【征一郎】「なんだそれは?」

【孝平】「俺が聞きたいくらいです」

【瑛里華】「当日、クラスにいないでしょ? なんで名前入ってるのよ」

【孝平】「発案者だから」

【瑛里華】「人がいいとか言われない?」

【孝平】「たまにな」

【瑛里華】「ま、私と付き合ってる段階で、お人好しか」

【伊織】「お前たち、付き合ってたのか!」

【孝平】「どういうタイミングですか」

【白】「でも、面白そうな喫茶店ですね」

白ちゃんがお茶を出してくれる。

【孝平】「ま、うちのクラスなら、きっと盛り上げてくれるさ」

【孝平】「ところで、白ちゃんのクラスは何やるの?」

【白】「演劇です。島にまつわる昔話を題材にしたものだそうで」

【白】「夏休みから練習していたようです」

【孝平】「気合い入ってるな」

【白】「はい。お手伝いできないのが心苦しい限りです」

【孝平】「気にするなって」

【孝平】「俺たちはこっちの仕事を精一杯やればいいさ」

【瑛里華】「ええ、それが文化祭全体の成功につながるんだから」

【白】「そうですね、わかりました」

白ちゃんは、しっかりとうなずいてくれた。

【征一郎】「そう言えば、支倉にはまだ言っていなかったな」

【征一郎】「俺と白は文化祭の2日目に参加できない」

【孝平】「え? どうしてまた?」

【征一郎】「どうしても外せない家の用事があってな」

【伊織】「東儀さんちは、珠津祭の運営をやらなきゃいけないんだ」

【孝平】「珠津祭?」

【瑛里華】「2日目に、島の神社で開かれるお祭りよ」

【伊織】「文化祭が終わってから夏祭りの夜店に行くのが、ウチの生徒の王道パターンだね」

【伊織】「文化祭で女の子を見つけて、祭りで決める、という寸法さ」

【孝平】「たしかに、安定の流れですね」

【瑛里華】「孝平は参考にしなくていいから」

じとっとにらむ瑛里華。

【孝平】「しないさ、当たり前」

【瑛里華】「よろしい」

【征一郎】「ともかく、東儀家は朝から祭りの準備をしなくてはならない」

【征一郎】「月曜の後片づけには参加できるはずだ」

【征一郎】「すまんが、よろしく頼む」

【孝平】「わかりました」

【瑛里華】「ところで、孝平の企画、まだ動いてないみたいだけど」

【伊織】「そうそう、俺も心配してたんだ」

【孝平】「大丈夫です」

【瑛里華】「ならいいけど……」

【孝平】「心配するなって、水面下で動いてるから」

というか、水面下じゃないといろいろヤバかったりする。

事前に漏れると、中止されるかもしれない。

【伊織】「いやにもったいぶるじゃないか」

【孝平】「サプライズが大事ですから」

【瑛里華】「楽しみにしてるわよ」

【孝平】「ああ」

【伊織】「いやぁ、ようやく盛り上がってきたぞ」

【伊織】「9月に入ってからの2週間は、毎年あっという間に過ぎるからね」

【伊織】「悔いの残らないよう頑張っていこうじゃないか」

【孝平】「もちろんです」

【瑛里華】「ええ、頑張りましょう」

【白】「はいっ」

//September 8//

文化祭が迫ってきた。

休み時間や放課後の話題は、もっぱら文化祭。

少しずつ、学内にお祭りムードが広がっていた。

放課後の監督生室では、日々、書類との格闘が続いていた。

今日は飲食物を販売する企画のチェックだ。

まとめて保健所にチェックしてもらわなくてはならない。

【瑛里華】「6年2組は、海の男料理『マリアナ海溝』」

【瑛里華】「マリアナ汁と、深海よりの使者……」

【孝平】「なんだよ、深海よりの使者って」

【瑛里華】「イカ焼きみたい」

【瑛里華】「非加熱の調理品はないわね」

【孝平】「イカが危ないかもしれないな」

【瑛里華】「ええ、チェックをお願いしましょう」

【孝平】「こっちは、『あなたの知らないコスプレ喫茶』」

【孝平】「街のケーキ屋から買ったものを出すだけだな」

【瑛里華】「孝平は、コスプレとか好き?」

【孝平】「ものによる」

【孝平】「つーか、いきなり変なこと聞くな?」

【瑛里華】「ものによるってのが、なんか研究してる感じよね」

うんうん、うなずいている。

【孝平】「中身によるよ」

【瑛里華】「私だったら、どんなのが似合うと思う?」

【孝平】「瑛里華だったら……」

瑛里華を見てみる。

自分の彼女ながら、いつ見てもかわいい。

美人は三日で飽きるというが──

瑛里華には、ずっと飽きないんじゃないかと思う。

【瑛里華】「目がいやらしい」

【孝平】「やかましい」

【孝平】「ともかく、瑛里華だったらなんでも似合うさ」

【瑛里華】「ありがと」

【瑛里華】「でも、なんか釈然としないわね」

【伊織】「釈然としないのはこっちだ」

【伊織】「君たち、子供の前でそういう会話は控えてくれ」

【白】「あの、なぜわたしの肩をつかむのですか?」

【征一郎】「子供だからだろう」

【白】「は、はい……しゅん」

【瑛里華】「大丈夫、まだまだ成長期なんだから」

【白】「そ、そうですね」

【伊織】「白を慰めて、いい人のフリをしても遅い」

【伊織】「君たちのようなのを、世間ではなんというか知っているかい?」

【孝平】「なんです?」

【伊織】「バカップル」

【瑛里華】「ええっ!?」

【孝平】「うそっ!?」

【征一郎】「本人は気づかないものだな」

【伊織】「ともかく、今夜のコスチュームの相談など、二人だけでしてくれ」

【伊織】「でなければ俺も混ぜろ」

【孝平】「そんな相談してませんから」

【征一郎】「もういい、書類を片づけるのが先だ」

【瑛里華】「わかりました」

【征一郎】「それが終わったら、消防に提出する書類を作ってもらう」

【孝平】「うす」

再び書類に向かう。

衝撃の事実だ。

俺たちがバカップルだったなんて……。

いや、ちょっと待て。

もし俺たちの未来が限られているなら、ちょっとくらいバカでもいいだろう。

ちゃーちゃーちゃっちゃー♪

司からのメールだ。

『下にいるから、来てくれ』

と書いてあった。

【孝平】「ちょっと出てくる」

【瑛里華】「どこいくの?」

【孝平】「友達が来てるんだ、すぐ戻る」

【瑛里華】「友達……」

【伊織】「そんなところにまでヤキモチか?」

【瑛里華】「そんなわけないでしょ」

【瑛里華】「まったく……」

【孝平】「待たせたな」

【司】「おう」

【孝平】「例のものは、それか?」

【司】「ああ」

司の足下にはダンボールが2つ。

文化祭特別企画用のアイテムだ。

【司】「軽いから持ち運びは簡単だ」

【孝平】「じゃ、こいつは監督生棟に置いておく」

【司】「しかし、どうやって屋上に入る?」

【孝平】「それは考えてある」

【司】「そうか、ならいい」

【孝平】「ここまで運ばせて悪かったな」

【孝平】「司には面倒かけてばっかだ」

【司】「今回は、昼飯2回だな」

【孝平】「2回でも3回でもいいさ」

【孝平】「じゃ、当日の動きはまた連絡する」

【司】「おう」

ポケットに手を突っこんで、司が去っていく。

さて、ダンボールの隠し場所だが……。

そういや、1階に倉庫があったな。

【瑛里華】「あー、終わったー」

【孝平】「今日は書類多かったな」

時刻は午後8時33分。

黙々と作業してもこの時間だ。

部屋にはすでに、俺と瑛里華しかいない。

【瑛里華】「征一郎さん、さらりと消防の書類追加したしね」

【孝平】「なるべく仕事を引き継ごうとしてるんだろう」

【瑛里華】「でしょうね」

【孝平】「来年のためにも、しっかり覚えないとな」

【瑛里華】「……ええ」

【孝平】「あの二人みたいな名コンビを目指そう」

【瑛里華】「わかったわ」

にこっと笑う瑛里華。

【孝平】「さて、そろそろ帰るか」

【瑛里華】「ええ、時間ね」

何事もなかったように、テーブルを片づける。

1分も経たずに、片づけは終わった。

【孝平】「鍵は?」

【瑛里華】「私持ってる」

【孝平】「よし」

【孝平】「じゃ、出よう」

【瑛里華】「ねえ孝平?」

【孝平】「ん?」

【瑛里華】「手をつないで帰ってもいい?」

おずおずと手を差しだす瑛里華。

【孝平】「もしかして、バカップルって言われたの気にしてるのか?」

【瑛里華】「まあ、それなりにね」

【孝平】「いいだろ、バカップルでも」

瑛里華の手を取り、指を絡める。

【瑛里華】「そうね」

彼女が満足げに笑う。

【瑛里華】「よし、帰りましょ」

//September 12//

文化祭は明日に迫った。

今日は授業がなく、全校挙げて文化祭の準備に取り組んでいる。

監督生室は、文化祭終了までは作戦本部扱い。

朝からひっきりなしに役員や実行委員が出入りしていた。

【瑛里華】「孝平、4年4組で暗幕が足りないって言ってる」

【孝平】「了解、持ってく」

【孝平】「片づけてきたぞ」

【瑛里華】「ごめん、次は視聴覚室に行って」

【瑛里華】「蛍光灯が切れてるらしいの、2本ね」

【孝平】「換えを持ってくよ」

【瑛里華】「出店関連で、機材が届いてないらしいわ」

【孝平】「任せとけ」

【瑛里華】「校舎に野良犬が迷い込んだって」

【孝平】「……わかった」

【孝平】「はぁ、はぁ、はぁ……次は?」

【瑛里華】「お茶飲んで」

【孝平】「さんきゅー」

ちなみに、時刻はまだ午後1時。

テーブルの上には、ペットボトルのお茶と紙コップが多数。

大きな皿が2つあり、おにぎりも準備してある。

【瑛里華】「悪いわね、孝平ばかり働かせて」

【孝平】「いや、誰かいないとまずいだろ」

監督生室の電話は、臨時で文化祭実行委員の本部用の電話となっている。

番号が各実行委員に知らされており、トラブル対応の窓口になっているのだ。

いつ電話がかかってくるかわからないから、誰かが常駐しているのが望ましい。

【孝平】「ま、力仕事ばっかりだし、俺に任せておけって」

【瑛里華】「頼もしいわね」

【瑛里華】「おかげで、今年はかなり楽だわ」

【孝平】「去年はもっとすごかったのか」

【瑛里華】「まあね、犬は迷い込まなかったけど」

【孝平】「さっきの犬、むちゃくちゃでさ、どんどん校舎の奥に行くんだよ」

【孝平】「外に追い出すのが一苦労だった」

【瑛里華】「あはは、ホントお疲れさま」

瑛里華が組んでいた足を入れ替える。

汚れ防止のため、今日は生徒全員が体操服。

つまり、瑛里華の動作は非常に危険だ。

【瑛里華】「やっぱり、体操服とか好きなんだ」

書類に目を落としたまま、瑛里華が言う。

【瑛里華】「女は視線に敏感なの」

【孝平】「ふっ、なんのことかわからんな」

【瑛里華】「ま、いいわ」

【孝平】「そういや、他の人は?」

【瑛里華】「征一郎さんは、商店街でビラ配りの準備」

【瑛里華】「白は礼拝堂を使う企画の手伝い」

【孝平】「会長は?」

【瑛里華】「兄さんは……激励」

【孝平】「なんだそりゃ?」

【瑛里華】「校舎をまわって、みんなを激励するの」

【瑛里華】「一応、それなりに必要な仕事ではあるのよ、不本意ながら」

【孝平】「盛り上げるって意味では重要だな」

【瑛里華】「まあね」

そのとき、監督生室の電話が鳴った。

【瑛里華】「はい、監督生室」

【瑛里華】「はい、はい」

電話をしながら、用件をメモしていく瑛里華。

このメモをあとでデータ化し「よくあるトラブルリスト」を作る。

次回以降の文化祭運営に役立てるのが狙いだ。

【瑛里華】「では、すぐに向かいますので」

瑛里華が電話を切った。

【孝平】「なんだって?」

【瑛里華】「屋上から垂れ幕をぶら下げるから、手伝ってくれって」

【孝平】「じゃ、ちょっと行ってくる」

こうして、短い昼休みは終わった。

放送委員会の仕事を終えた後、さらに3つの仕事。

監督生室に戻ったころには、日が暮れていた。

【孝平】「お疲れ、全部片付いたよ」

【瑛里華】「お帰りなさい」

瑛里華が立ち上がる。

紙コップにお茶を注ぎ渡してくれた。

【孝平】「サンキュー」

一気に飲み干した。

【孝平】「ふぅ、うまい」

【瑛里華】「結局、一日中動きっぱなしだったわね」

【孝平】「まあな」

もう一杯、注いでくれた。

【孝平】「でも、みんな喜んでくれてやりがいがあったよ」

【孝平】「それに、どこも一生懸命やってるからさ、自然と手伝おうって気になるし」

【瑛里華】「わかるわ」

【瑛里華】「準備する側としては、それが一番よね」

嬉しそうに微笑む瑛里華。

【孝平】「ところで、みんなは?」

【瑛里華】「さっき電話があって、兄さんと征一郎さんは遅くなるって」

【瑛里華】「商店街の人と盛り上がっちゃったらしくて」

【孝平】「どうやって盛り上がるんだ?」

【瑛里華】「おおかた兄さんが何かやったんでしょ」

【瑛里華】「あの人、なぜか年配の人にも人気あるのよね」

【孝平】「白ちゃんは?」

【瑛里華】「礼拝堂の仕事でバテちゃって、先に帰したわ」

【瑛里華】「相当ハードだったみたい」

【孝平】「ま、仕方ないな」

【孝平】「二人が帰ってくるまで、のんびりしてよう」

【瑛里華】「ええ」

俺たちは、並んで椅子に座る。

【瑛里華】「そうだ、肩こってない?」

【孝平】「だいぶキてる」

【瑛里華】「揉んであげる」

瑛里華が立ち上がり、俺の背後に回る。

【瑛里華】「痛かったら言ってね」

【孝平】「ああ」

ふかっとした手が肩に載る。

【瑛里華】「松竹梅どれがいい?」

【孝平】「松」

【瑛里華】「よくばり」

くすっと笑って、瑛里華が手を動かす。

【瑛里華】「あ、けっこうこってる」

親指がいいところを押してきた。

【孝平】「おお、そこそこ」

【瑛里華】「強さは?」

【孝平】「ちょうどいい」

最初は肩回り。

そのうち背中に下がり、また肩に戻ってくる。

【孝平】「瑛里華って、尽くすタイプだよな」

【瑛里華】「そう? 意識したことないけど」

【孝平】「海でもマッサージしてくれたし、風邪ひいたときは飯作ってくれたし」

【瑛里華】「尽くそうと思ってやったことじゃないし」

【孝平】「それが尽くすタイプってことだ、きっと」

【瑛里華】「じゃあ、そういうことでいいわ」

【瑛里華】「言っとくけど、孝平にだけだからね」

【孝平】「さんきゅ」

【孝平】「ところで、松竹梅ってのはなんだったんだ?」

【瑛里華】「松コースはこれがついてくるの」

肩を揉んでいた手が、胸に下りてくる。

【孝平】「お、おい」

手が腹まで来た。

それ以上、下りると……。

【瑛里華】「ざーんねんでした」

瑛里華の腕は、俺の胸の前でクロスされた。

ぎゅっと後ろから抱きしめられる。

【孝平】「尽くすタイプだと思ってたんだけど」

【瑛里華】「そう期待通りにはいかないわよ」

優しく言って、腕に力が込められた。

柔らかな胸は、当然、俺の背中に押しつけられている。

瑛里華は、そのままじっと動かない。

密やかな呼吸音だけが、耳に入ってくる。

【孝平】「もしかして、何かあったか?」

【瑛里華】「……別に」

【瑛里華】「これが私にとっての癒しなの」

【孝平】「……そっか」

気のせいだったらしい。

【孝平】「だったら、続けてていいぞ」

【瑛里華】「うん、ありがとう」

と、さらに強く抱いてきた。

瑛里華の手に触れる。

しっとりと汗ばんで、少し冷たい。

【瑛里華】「私さ、自分がこんなに寂しがり屋だったなんて思わなかった」

【孝平】「気づいてた」

【瑛里華】「バレてたか」

【瑛里華】「毎晩、自分の部屋に帰るたびに不安でどうしようもなくなるの」

【瑛里華】「ひどいときは授業中も」

なんとなく、瑛里華が肩を揉んでくれた理由がわかった。

おそらく、面と向かっては言えなかったのだろう。

【孝平】「俺だって似たようなもんさ、いつだって会いたい」

瑛里華の手を強く握る。

【瑛里華】「うん、ごめんね」

【孝平】「謝るなよ。俺は嬉しいから」

声のする方に首をひねる。

そこはすぐ、瑛里華の顔だ。

【孝平】「瑛里華」

【瑛里華】「ん……ちゅ……」

唇が重なる。

すぐに舌が絡む。

ぴちゅっ、くちゅっ、ちゅぱっ

瑛里華の動きがいつもより激しい。

彼女の舌が俺の舌をねじ伏せ、口内をくまなくなぞっていく。

【瑛里華】「くちゅっ……んっ、ちゅぱっ、んふ……」

瑛里華がうつむき加減なせいか、彼女の唾液が流れ込んできた。

甘い感覚が、口の中いっぱいに広がる。

瑛里華……。

声に出せないから、頭の中で彼女の名を呼ぶ。

こうしているだけで、胸の中に愛しさが溢れていく。

【瑛里華】「ちゅ……ぷはっ」

唇が離れた。

【瑛里華】「はぁ……はぁ……」

瑛里華は、息も整えようともせず俺を見ている。

俺も見つめ返す。

それ以外、何もしない。

ただ、時計の秒針だけがカチカチと時を刻む。

【瑛里華】「この姿勢、疲れるでしょ」

と、瑛里華が俺の正面に回り、膝の上に横から座った。

そして、俺の首に腕を絡める。

【瑛里華】「続き、しよ」

【孝平】「この格好で?」

【瑛里華】「いいじゃない。記念よ」

なんの記念だよ……、

とつっこむ前に、瑛里華がキスをしてくる。

瑛里華の舌が口に滑り込んできた。

【瑛里華】「んちゅっ……んっ、孝平……」

瑛里華の舌の動きは、愛撫の範囲を越えていた。

唾液を流し込みながら、ひたすら舌を暴れさせている。

溢れた唾液で、俺の顔が濡れていく。

【瑛里華】「くちゅっ……ちゅっ、好き……孝平……」

目をつむり、うわごとのようにしゃべる瑛里華。

完全に自分の世界に入っている。

今日の瑛里華はすごいな。

さりげなく胸に手をやりながら、俺も舌を動かす。

【瑛里華】「んんっ、胸っ……あっ、くちゅっ」

【瑛里華】「触っちゃ……あっ、ああっ……ぴちゅっ」

何回か体を重ねた経験から言うと、おそらく瑛里華は胸が弱い。

胸を触るとすぐにテンションが上がるのだ。

体操服の上から包むように乳房を揉みしだく。

【瑛里華】「んあっ……やだっ、ああっ、あっ、あっ」

【瑛里華】「くちゅっ、ぴちゅっ、あっ……くちゅっ」

喘ぎながらもキスをやめない瑛里華。

口の端から液体が溢れている。

とんでもなく刺激的な表情だ。

【瑛里華】「ああっ……んっ、くちゅっ……孝平っ」

俺に覆い被さるように体重をかけてくる瑛里華。

椅子がギシギシと悲鳴をあげる。

アンティークものだけに、ちょっと耐久力が心配だ。

【孝平】「瑛里華、ちょっと」

瑛里華を少し持ち上げる。

【瑛里華】「どうしたの?」

【孝平】「机にうつぶせになって」

【瑛里華】「え、キスは……」

【孝平】「姿勢変えてから」

瑛里華を脚から下ろす。

背中を向かせ、上半身をテーブルに倒す。

//H-scene starts//

上から覆い被さり、瑛里華の唇を目指す。

【瑛里華】「う……ちょっと、重いかも」

【孝平】「すまん」

どこうとする俺を瑛里華が止める。

【瑛里華】「いいよ……なんか安心する」

【孝平】「なら、このまま……」

腕を机について体重を分散させつつ、瑛里華にキスをする。

待ちかねたように瑛里華が舌を伸ばしてきた。

【瑛里華】「くちゅっ……んっ、んあっ……んんんっ」

【孝平】「瑛里華……今日はいやらしいな……」

【瑛里華】「いつもと……くちゅっ……同じ、だってば……」

【孝平】「そう?」

【瑛里華】「そう」

【瑛里華】「もう、余計なこと言わないで……くちゅっ」

吸い付くように俺を求めてくる。

応えるように舌を瑛里華に差し入れ、中をかき回す。

溢れた唾液が、テーブルに垂れていく。

【瑛里華】「んっ、んあっ、んっ……くちゅっ、ぴちゅっ」

興奮で体温が上がっているのだろう。

瑛里華から強く香りが立ち上る。

花のような香りに、頭がぼーっとしてくる。

【瑛里華】「うん……くちゅ……ちゅっ、ぴちゅ……」

ぴちゅっ、くちゅっ、ぬちゅっ

くちゅ、ぴちゅっ、ちゅっ

夕暮れの監督生室に湿った音が響く。

昼間はたくさんの人が出入りしていた空間。

そこで俺たちは情事に及んでいる。

背徳感が興奮へと変換されていく。

俺は、キスをしたまま胸に手を伸ばした。

【瑛里華】「うっ……あっ、あっ……やっ……」

二つの膨らみをつかむ。

瑛里華の唇が離れ、喘ぎが漏れる。

【孝平】「やめるなって」

再び口をふさぐ。

同時に胸を揉みしだく。

【瑛里華】「くちゅっ、ちゅぱっ……ああっ……んぐっ、ぅちゅっ」

【瑛里華】「ちゅっ……あああっ……やっ……くちゅっ、んんっ」

喘ぐ瑛里華の口を執拗に追いかける。

【瑛里華】「あああっ、んちゅっ……やっ……くちっ」

喘いではキスをし、キスをしては喘ぐ。

おぼれた人が必死に呼吸しているようだ。

俺はキスをやめ、胸に集中する。

服の上から先端とおぼしき位置をおおざっぱにつまむ。

【瑛里華】「ひゃああっ……ああっ、やああああっ!」

口を解放された瑛里華が、大きな声を上げる。

【孝平】「声、エロいぞ」

瑛里華の耳元でささやく。

【瑛里華】「ば、ばか……そんなこと……ないって……んあっ」

そう言われると、もっと声を聞きたくなる。

乳首をつまんだまま乳房全体を揺する。

空いていた舌は、瑛里華の耳の穴に差し入れる。

【瑛里華】「やっ、ちょっと……んあっ、あっ、あっ」

【瑛里華】「耳は……あああっ……んんっ、胸っ……んんっ」

どっちに反応していいか、わからないらしい。

【孝平】「こっちもしてみるか?」

【瑛里華】「え……ど、どこ……」

不安そうな声。

【孝平】「ここ」

片手をお尻に持って行く。

下へ滑らせ、秘所に触れた。

【瑛里華】「うくっ」

瑛里華が震える。

指先でブルマをくすぐる。

【瑛里華】「やっ……くすぐったい……あっ、んっ」

くすぐったいだけではない声がした。

【孝平】「嫌ならやめる」

【瑛里華】「くっ……ああっ……バカ……」

やめないでという意味に解釈し、中指をクリトリスの位置に当てる。

爪側で激しくこする。

【瑛里華】「うあっ、だめっ……」

【瑛里華】「そこ、敏感……だから……んんっ、くっ」

瑛里華の背中がぴくぴくする。

親指も膣口付近に添えた。

もう一方の手で乳首を重点的に攻めていく。

【瑛里華】「やああっ……だめっ、だめっ……あああっ、あっあっ……」

【瑛里華】「孝平っ、やっ、そんなっ……あああっ……あぁぁっ」

【瑛里華】「ほんと……もう……いっちゃ……ああっ、んあっ、くっ」

【瑛里華】「だめっ、いく、いっちゃ、いっちゃう……ああああああああぁぁっっ!!」

あっという間に瑛里華が上りつめる。

【瑛里華】「あ……あ……っ……」

寄せる快感に体を震わせ、身を縮める。

こんなに反応してくれると、かなり嬉しい。

【孝平】「いった?」

【瑛里華】「う……っ……ん」

首だけ振っている。

【孝平】「じゃ、見せてね」

【瑛里華】「え……な、なに……」

ブルマに手をかけ横にずらす。

下着と性器の間に糸が引いた。

べっとりと濡れたそこは、絶頂の余韻にひくひくしている。

【瑛里華】「ちょっと……あんまり見ないでよ……」

【孝平】「いつも見てるだろ」

【瑛里華】「こんな姿勢じゃ……」

瑛里華はお尻を突き出している。

脚の間のそれを隠す術もない。

【孝平】「場所もアレだしな」

【瑛里華】「や、やだ」

【孝平】「いつもみんながいるところで、下だけ見せてるんだぞ」

【瑛里華】「言わないでよ……」

脚をもじもじ動かす。

秘唇がこすれ、蜜がにじむ。

みだらな光景に、トランクスの中でペニスが硬くなる。

【孝平】「さ、続きな」

指を秘裂に当て、ゆっくり上下させる。

【瑛里華】「あっ、あっ……んあっ……」

さっそく声が出る。

指に愛液がなじんだところで、指先を蜜壺に埋める。

くちっ

【瑛里華】「あっ……う……」

第二関節まで差し込む。

少しだけ指を曲げ、お腹側の壁面をこすりながら出し入れする。

【瑛里華】「うあっ……やっ、だめっ……ああっ、んっ」

【瑛里華】「んああっ、ああっ……すごく……あっ……ああああっ」

【孝平】「すごく、何?」

【瑛里華】「知らない……知らないから……ああっ」

ちゅっ、にちゅっ、くちっ

自分の指が瑛里華の中に入っては出てくる。

かき出された愛液が手のひらにたまっていく。

【孝平】「どんどん溢れてくるぞ」

【瑛里華】「だから……報告、しないで……よ……」

【瑛里華】「ああっ、いやっ……ああっ、あ、あ、あ、あ……んぅっ」

何かに耐えるように首を振る瑛里華。

もう少し刺激を加えてみよう。

俺は上着に手をかける。

【瑛里華】「やっ……いきなり……」

抗議される前に、指の動きを速める。

【瑛里華】「やああああっ、だめっ、速いっ……んあっ」

乳首はブラ越しにわかるほど尖っていた。

指の腹で押しつぶす。

振動させる。

つまむ。

【瑛里華】「あああっ……そこっ、くっ……だめっ……」

【瑛里華】「おかしくなっちゃう……よ……こう、へい……」

【孝平】「直接触るぞ」

【瑛里華】「だめって……言ってるのに……」

抗議は無視してブラをたくし上げる。

形のいい乳房が、待ちかねたように外に出た。

間髪入れず、乳房を手で包む。

【瑛里華】「んっ……あ……」

汗で濡れた乳房はしっとりと温かい。

指の間からこぼれそうなそれを、もみほぐすようにマッサージする。

【瑛里華】「あ、あ……んっ……孝平……あっ」

【孝平】「痛くない?」

【瑛里華】「うん……気持ち、いいよ……あっ……うっ」

【孝平】「こっちは?」

蜜壺に入れた指。

手首をひねり、いろんな方向をこする。

【瑛里華】「やっ……あああっ、あ、あ、ああ……」

【瑛里華】「だめっ、あっ……」

逃げようとしているのか、瑛里華がお尻を動かす。

だが、この姿勢ではどうしようもない。

むしろ、こすれる場所を増やすだけだ。

【孝平】「二本にしてみる?」

【瑛里華】「え、に、二本は無理だって……」

指二本よりは、俺の分身の方が太い。

つまり入るということだ。

人差し指と中指をそろえ、

ぬちゅ。

ゆっくりと差し込んでいく。

【瑛里華】「う……あ……あ、あ、あ、あ」

指の付け根まで、あっという間に飲み込まれた。

【孝平】「入ったぞ」

言いながら、指を前後させる。

【瑛里華】「う、うそ……あ、あっ、ああっ」

【瑛里華】「ああっ、だめっ……あああっ、いやっ……あああっ」

声が艶を帯びる。

緩急をつけて指を動かしながら、もう一方の手で乳首をつまむ。

【瑛里華】「ああっ、あっ、あっ、……だめっ、孝平っ」

【瑛里華】「同時にされたら……あっ、んんっ、ああっ……」

【瑛里華】「やっ、あああっ、あ、あ、あ、あ……んあっ、だめっ……」

瑛里華が身を縮める。

もうすぐだ。

【瑛里華】「ああっ、またっ、私またっ……」

【瑛里華】「あああっ、いっ、いく……だめっ、いくっ、いくっ」

【瑛里華】「んんっ……あ、あ、あ、あ……あああああああぁぁぁぁっっっっ!!!」

瑛里華の体が硬直した。

蜜壺に入れていた指がぎゅっと締め付けられる。

【瑛里華】「あ……あ……あ……」

内腿がぴくぴく痙攣している。

【瑛里華】「はぁ、はぁ、はぁ……あ、ん……」

瑛里華がテーブルの上でぐったりした。

荒い息に背中が上下する。

俺の指で瑛里華が良くなってくれるのは、けっこう嬉しい。

さて、そうすると後は……

自分の下半身に目をやると、もう準備は整っていた。

体操服とトランクスを下ろしペニスを露出させる。

勢いよく天井を指していた。

愛液でどろどろになった手で、潤いをなじませる。

【孝平】「瑛里華、俺もいいか?」

【瑛里華】「ん……いい、よ……」

まだ絶頂の余韻の中にいる瑛里華が、ぼんやりした声で応える。

【孝平】「じゃ、するぞ」

俺は秘裂を指で押し広げた。

蜜壺からトロリと蜜がしたたる。

【瑛里華】「見ないで……」

秘孔の上にあるつぼみが、きゅっと縮まる。

ほとんど色素の沈着がなく、きれいなままだ。

ちょっと指先でつついてみる。

【瑛里華】「ひゃうっ!」

【瑛里華】「だめっ、そっちは違うから……」

【孝平】「どこがいい?」

【瑛里華】「ほら、下の……」

【孝平】「ちゃんと教えて」

【瑛里華】「バ、バカ……」

【孝平】「手で教えてよ」

【瑛里華】「やだもう」

言いながら、瑛里華は手を後ろに伸ばした。

俺のペニスをつかむ。

【孝平】「おっ」

そうきたか。

【瑛里華】「こ、ここだからね」

亀頭を膣口に誘導する。

【孝平】「ここ?」

少し突っつく。

瑛里華がもじもじと腰を揺らす。

【瑛里華】「そ、そこ……ねえ、孝平……」

【孝平】「わかってる」

一気に半分くらいうずめる。

【瑛里華】「ひゃうっ……あっ……」

瑛里華の背中が反り上がる。

すぐに抜いてしまう。

【瑛里華】「え……こ、孝平……」

【孝平】「ああ」

再び中程まで突き入れる。

【瑛里華】「んあっ……くっ……」

腰をグラインドさせる。

奥までは入れず亀頭だけを出入りさせていく。

【瑛里華】「ああっ、んっ……孝平……奥まで、入ってる?」

【孝平】「ん、まだ」

【孝平】「奥まで入れる?」

【瑛里華】「え……う……好きに、して」

入れて欲しいようだ。

【孝平】「自分で動いてみて」

【瑛里華】「う……」

言葉に詰まる瑛里華。

しかし、ゆっくりとお尻をこちらへ突き出した。

俺は動かない。

瑛里華が近づいてきて、じゅぷりとペニスを飲み込んでいく。

【瑛里華】「あ……あ……う……」

俺の腰と瑛里華のお尻がぶつかる。

今度は瑛里華が遠ざかっていく。

結合部から、ぬらぬら光る男根が現れる。

【孝平】「もう少し速く」

【瑛里華】「う、うん……」

【瑛里華】「んっ、あっ……あっ……ん……」

瑛里華が腰を揺する。

棹がきゅっきゅと刺激され、しびれるような快感が腰を包む。

【孝平】「上手だ」

【孝平】「俺も手伝うな」

さっきよりは速度を上げてペニスが出入りする。

【瑛里華】「あっ、あっ……んっ……いい……孝平っ」

【瑛里華】「んっ……好きっ……ああっ、あっ、あっ」

ぬちゅっ、くちゅっ、ずちゅっ

愛液が白く濁ってきた。

【瑛里華】「う……あ……んっ……」

瑛里華の動きが速くなる。

【孝平】「気持ちいいぞ」

【瑛里華】「うん、良くなって……私も、いいから……」

【瑛里華】「孝平をよくしてるって思うと……あっ……んっ」

【瑛里華】「すごくね……嬉しいの……ああっ」

瑛里華の言葉に嬉しくなる。

【孝平】「瑛里華」

瑛里華の腰を押さえた。

そして、

一気にペースを上げる。

【瑛里華】「あああっ……んっ、あああっ、あんっ、あんっ」

【瑛里華】「やっ、孝平っ、いいよっ……あっ、あっ、あっ」

肉がぶつかる音が響き、結合部から液体が飛び散った。

【瑛里華】「くっ、あっ、すごいっ……孝平っ、もっと、もっと強くしてっ」

【瑛里華】「私に、ぶつけて、あっ、あああっ、孝平っ、孝平っ」

痛切な声を上げる瑛里華。

胸がぎゅっと痛くなるような言葉だ。

【孝平】「いくぞっ」

がむしゃらに腰をたたきつける。

肉がぶつかる振動が瑛里華の体を走り、乳房がぷるぷる震える。

そこを手で握る。

力を加減できる状態じゃない。

【瑛里華】「ひゃうっ……あああっ、ああっ、んんっ……いいよっ」

【瑛里華】「孝平っ……あああっ、くっ……好きっ、好きっ」

声に快感がにじんだ。

渾身の力で腰を振る。

ずちゅっ、くちゅっ、ぬちゅっ!

激しい水音があがる。

溢れた愛液が床に飛び散った。

【瑛里華】「孝平っ、孝平っ……あああっ、だめっ」

【瑛里華】「すごく、すごく、感じて……あああっ、孝平っ、ああああっ」

【瑛里華】「もうっ、私、いって……いっちゃ、う」

【孝平】「遠慮するな……いって、いいぞ……」

こっちもヤバい。

いつ達してもおかしくない状況だ。

【孝平】「瑛里華……」

両手で乳首をつまむ。

【瑛里華】「あああああっ、だめっ、だめっ……ああああっ」

瑛里華が震える。

ペニスがこすられ、甘い刺激がわき上がる。

【孝平】「俺もいくぞ」

【瑛里華】「うんっ、一緒……一緒にいって、孝平っ」

【瑛里華】「ああっ、んんっ、もうっ、私……私、いくっ、あっ」

【瑛里華】「いっちゃう……孝平っ、一緒に来てっ」

【瑛里華】「あああっ、あっ、ああああっ……あ、あ、あ、あ、あ」

【瑛里華】「いっちゃ……う……あああっ、ああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」

こっちも限界だ。

どくどくどくっ!

ペニスが爆発した。

びゅくっ、どくっ!!

瑛里華の上に、精子が次々と降りそそぐ。

【瑛里華】「っ……あ……ああ……」

【孝平】「っっ」

走り抜ける快感に目の前が真っ白になる。

射精後の脱力で、瑛里華の上に倒れこみそうになる。

テーブルに手をつき、なんとか身体を支えた。

【孝平】「う……く……」

【孝平】「気持ち……よかった」

【瑛里華】「うん……私も……」

顔を伝って落ちた汗が、ぱたぱたと瑛里華の上に落ちていく。

【孝平】「汗かかっちゃって……悪いな」

【瑛里華】「いいよ」

瑛里華が手を伸ばし俺の汗をぬぐう。

そして、それを口に入れてしまった。

【孝平】「お、おい」

【瑛里華】「ふふ、しょっぱい」

【孝平】「こら」

お返しに瑛里華の首筋をなめる。

【瑛里華】「あはは……くすぐったいって」

【孝平】「瑛里華もしょっぱいぞ」

【瑛里華】「こ、こら、そういうこと言わないの」

恥ずかしそうに身をよじった瑛里華を、背中から抱きしめる。

酸味と甘味が混じった香りが鼻腔をつく。

交わった証の匂いだ。

【瑛里華】「抱かれてると安心する」

うわごとのような声が聞こえた。

【孝平】「俺も、こうしていると安心するよ」

【瑛里華】「そう……そうね」

瑛里華の声は、わずかな愁いを帯びていた。

抱きついているせいで顔は見えないが──

もしかしたら、つらそうな顔をしているのかもしれない。

【瑛里華】「ねえ?」

瑛里華の手が俺の股間に伸びてきた。

【瑛里華】「さっきから、お尻つついてるんだけど?」

【孝平】「おっと」

言われてみれば、まだ硬度を失っていない。

愛液で光る肉棒。

それを瑛里華の手が包み、にぎにぎと刺激を加えてきた。

【瑛里華】「元気元気」

【孝平】「おい……」

【瑛里華】「生徒会役員のくせに、悪い子ね」

【孝平】「お互いさまだ」

【瑛里華】「どうしたい?」

亀頭を指がくるくるこねる。

【孝平】「そりゃ……決まってる」

瑛里華の瞳が怪しく揺れた。

【瑛里華】「じゃあ、床に寝て」

【孝平】「ああ」

期待でドキドキする。

いったい何をしてくれるのか……。

背中が床に触れる。

ちょっと固いが、そんなことより目の前の光景の方が気になって仕方がない。

俺の腰の上に瑛里華がまたがっていた。

【瑛里華】「してあげるね」

瑛里華が自ら股間の布地をずらす。

先ほどまで、俺が出入りしていた部分があらわになった。

【瑛里華】「これが」

瑛里華の白い指が、男性自身を持つ。

【瑛里華】「ここに」

瑛里華の腰が下り、亀頭と膣口の距離が縮まる。

先端がわずかに触れる。

そこで、瑛里華の腰が止まった……

【孝平】「??」

と、思ったら前後に揺れ始めた。

ぴちゅ……ぬるっ……

【孝平】「うおっ」

ぬるぬるとした感触が、亀頭や裏筋をこする。

いよいよ怒張するそこは、熱源目指して今にも飛びだしていきそうだ。

【孝平】「瑛里華……じらすなよ……」

【瑛里華】「入りたい?」

わかりきった質問をしてくる。

答えなんてわかってるくせに。

【孝平】「今すぐ」

【瑛里華】「ちゃんと言って」

【孝平】「瑛里華の中に入りたい、今すぐ」

【瑛里華】「よくできました」

ずりゅ、ぬりゅ……

【瑛里華】「あ……ん……」

ゆっくりと埋没していく。

充分に濡れそぼった壁面が亀頭を包み、ぬらぬらと絞り上げる。

【瑛里華】「ふう、あう……入った?」

うっとりと瑛里華が言う。

【孝平】「ああ……溶けそうだ」

【瑛里華】「ふふふ、溶けるのは……まだ、早いからね」

言うなり、瑛里華の腰が石臼のように円運動する。

適度に締められたペニスが、全方位からこすられ、吸い上げられていく。

【孝平】「くっ」

思わず腰が動く。

【瑛里華】「気持ちいいと、そういう顔するんだ」

【孝平】「知るかよ」

平静さなど装えない。

肉棒が熱い蜜に溶けていかないようにするので必死だ。

【瑛里華】「んっ……せいぜい、頑張って……ああっ」

【瑛里華】「孝平、硬くて熱い……」

【瑛里華】「こうやってされる方が、好きなの?」

【孝平】「だから……知るかって」

【瑛里華】「ふふっ、態度、悪い……よ」

腰の動きが速くなった。

膣口から溢れた蜜を潤滑油に、瑛里華の腰が股間の上でグラインドする。

【瑛里華】「ふあっ、ああっ……んっ、孝平……」

【瑛里華】「中が、熱い……熱くて、なんか、じんじんしてくる」

ぬりゅ、ずりゅ

挑発的な目で俺を見据えたまま、瑛里華は腰を動かす。

【孝平】「瑛里華……いやらしい動きしてるぞ」

【瑛里華】「そんなこと……ない」

【瑛里華】「孝平の方が、エッチな顔してる」

【瑛里華】「ああっ、くっ……うっ、あああっ……ん、んんっ」

瑛里華の動きがまた少し速くなる。

円運動に、上下への動きも加わってきた。

【孝平】「ほら、自分で動いてるじゃないか」

【瑛里華】「し、知らない」

【瑛里華】「勝手に動いちゃうんだから……仕方ないでしょ」

言いながら、快感に眉をゆがめる瑛里華。

【孝平】「そうか?」

ちょっと腰を突き上げてやる。

【瑛里華】「ふああぅ……やっ、動かない……で」

【瑛里華】「ああっ、あっ、あっ……だめっ、ちょっと」

ぐちゅっ、じゅっ

ぴちゅっ!

瑛里華の身体が上下に弾む。

【瑛里華】「んあっ、ああっ、熱いよっ……孝平、熱いっ」

【瑛里華】「勝手に、動いちゃって……止まらない……止まらない」

結合部が丸見えになった。

濡れ光る瑛里華の性器に、俺のペニスが激しく出入りする。

そのたびに、粘液質な音が部屋に響いた。

【孝平】「やっぱ、いやらしい……じゃないか」

【瑛里華】「いやらしく、ないよっ……しかた、しかたないのっ」

【瑛里華】「あああっ、んあっ、あああっ……だめっ、動いちゃう、身体が、勝手に……」

じゅぷっ! ぐちゅっ!

完全な上下動に変わった。

自分の乳首をつまみながら、抑えきれない欲望に腰を振る瑛里華。

俺もタイミングを合わせて腰を振る。

【瑛里華】「あんっ、ふぁぁぁっ、だめっ……気持ちっ、気持ちいいっ……」

【瑛里華】「うああっ、ああっ、ああっ、孝平っ、孝平っ!」

瑛里華が髪を振り乱す。

傍若無人な刺激に、ペニスはいつ爆発してもおかしくない。

【孝平】「うっ、くっ」

腰を叩きつける。

【瑛里華】「ふああっ、ああっ、孝平っ……んんっ、ふあっ、あっっ」

【瑛里華】「もっと、動いて……私も、動く、あああっ、からっ」

【瑛里華】「ああああっ、あっ、あっ、だめっ、ひゃうっ、ふぁああっ」

瑛里華が無茶苦茶に動く。

そのたびに、膣内が動き、俺を握りしめこすり上げる。

絶頂に導かれながら、俺もただがむしゃらに動く。

【瑛里華】「んあああっ、孝平っ、孝平っ……気持ちいいっ? 気持ちいいっ?」

【孝平】「ああっ、くっ、もうっ」

【瑛里華】「いいよっ、ほらっ、いつでも……」

【瑛里華】「この格好なら……ああっ、んっ……外には、出せないでしょ」

【瑛里華】「中に、いっぱい……孝平を、溢れさせてっ……んんんっ、ああああっ」

言葉に連動するように、膣が俺を吸い上げる。

溶けるような摩擦に、腰を振ること以外何もできなくなった。

【孝平】「瑛里華っ、瑛里華っ!」

夢中でペニスを叩きこむ。

【瑛里華】「はあっ、ふあああっ、はげしいっ」

【瑛里華】「そんなにされたら……私、私もっ……ああっ、あっ」

【瑛里華】「あふっ、ああああっ、だめっ、いっちゃう……いっちゃうからぁっ、あああっ」

瑛里華の汗が飛び散り、監督生室の床が悲鳴を上げる。

【瑛里華】「ふあああっ、一緒にっ、一緒に……」

【瑛里華】「あああっ、うくっ、もう、だめっ……ああああっ、ふあああっ」

【瑛里華】「ずっと……ずっと好きだからっ……あああっ、いつまでもっ」

【孝平】「ああ、俺も……だっ」

発射は秒読みだ。

【瑛里華】「孝平っ、孝平っ……うれしいっ!」

【瑛里華】「だめっ、だめだめだめだめっ……ひゃうっ、あああっ」

【瑛里華】「いくぅ、いっちゃう、いっちゃうから……あああっ、やあああっ」

【瑛里華】「あ、あ、あ、あ、あ……だめっ、いくっ!」

【瑛里華】「うああああっ、あっ、あっ……孝平っ……あ、あ、あ、あ、うあああぁぁぁっっ!!」

瑛里華が硬直する。

その瞬間、ペニスを精液が駆けあがった。

びくっ! どくっ!

びゅくっ! どくどくっ!

瑛里華の体内でペニスが爆発する。

【瑛里華】「うあ……ああ……あ、あ……」

身体を弓なりに反らせ、痙攣する瑛里華。

その中に、白濁を叩きつける。

びゅっ、びゅびゅっ!

どくっ、びゅくびゅくっ!

波のような快感が全身を走り抜け、息もできない。

【瑛里華】「いってる……孝平……私の中で、いってる……」

【瑛里華】「熱いものが……広がって、る、よ……」

とろんとした声で独り言のように呟く瑛里華。

全身が断続的に痙攣していた。

【孝平】「くっ……えり、か……」

一番深いところに、精液が広がっていくのを感じる。

溶けたお互いの体が混じりあっているような感覚だった。

【瑛里華】「はぁ……あ……はぁ……」

【瑛里華】「真っ白……何も、見えなく……なっちゃった」

呆然と俺を見る瑛里華。

【孝平】「俺も、だ……」

ペニスは、吐き出す物もないのにまだビクビクしていた。

時機を逸した快感が、もぞもぞと背骨をくすぐる。

【瑛里華】「ん……」

ペニスが少し縮まった。

結合部の隙間から、白濁が溢れ出る。

【瑛里華】「ふふふ……出したね、ずいぶん」

【孝平】「あ、ああ……」

【瑛里華】「出し過ぎて、溢れてる」

【孝平】「きれいに、するか……」

瑛里華を優しく持ち上げる。

こぽっ

ペニスが抜け、丸見えの女性器から精液がこぼれた。

刺激的すぎだ。

【孝平】「ティッシュあったっけ?」

【瑛里華】「棚の方」

【孝平】「よし」

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瑛里華を椅子に座らせ、ティッシュを取りに行く。

箱ごと取って振り返る。

【孝平】「……」

乱れたテーブルと椅子。

椅子では着乱れた瑛里華が息を落ち着けている。

そして、部屋に広がる淫臭。

今、会長が帰ってきたら終わる。

とりあえずは……、

瑛里華に近づき、結合部をふいてあげる。

【瑛里華】「ありがと」

【孝平】「服、伸びたりしてるだろ」

【瑛里華】「そうね……ま、いいわ」

【孝平】「次は普通の服でしような」

【瑛里華】「私がしたかったみたいに言わないで」

瑛里華が笑う。

【瑛里華】「ま、文化祭の企画が成功したら、考えてもいいわね」

【孝平】「よし言ったな。本気で頑張るぞ」

【瑛里華】「たんじゅーん」

【孝平】「男はそういうものだ」

【瑛里華】「晴れればいいね」

【孝平】「ああ」

外を見る。

きれいな夕焼けだ。

きっと晴れてくれるに違いない。

【孝平】「さて、片づけるか」

【瑛里華】「そうね」

【瑛里華】「私は身支度してくるから、あとよろしく」

【孝平】「了解」

瑛里華が部屋から出て行く。

トイレで身支度を整えるのだろう。

【孝平】「さて」

会長たちが戻ってくる前に掃除だ。