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//Continuation from July 19//

【孝平】「あのさ、マジで散らかってるけど気にしないでくれ」

【桐葉】「そう」

【孝平】「あと、必要以上にベッドの下を探ったりしないように」

【桐葉】「ええ」

そしらぬ顔で桐葉は答える。

なんか、だんだん緊張してきた。

とりあえず、ヘンな物は出してない、と思う。

俺は部屋の前に立ち、カギを差し込んだ。

ガチャ

【孝平】「?」

あれ、ドアが開いてる。

……なんかいやーな予感がするな。

俺は不審に思いながら、ドアを開けた。

【かなで】「おっかえりーーーー!」

部屋に入った瞬間、大きな声が俺たちを出迎えた。

【孝平】「やっぱり!」

【かなで】「やっぱりとは何よー」

【かなで】「わたしもひなちゃんもへーじも、ずーっと帰りを待ってたんだからねっ」

【陽菜】「お帰りなさい、孝平くん」

【司】「ちーす」

見れば、すでにティーセットや茶菓子がテーブルの上に並べてある。

タイミングとしては、最悪だった。

【孝平】「俺のいないときに部屋に入るのって、禁止にしてませんでしたっけ」

【かなで】「わ……忘れてた。てへー」

【孝平】「てへー、じゃないですよっ」

【かなで】「ごめんっ」

ぺこりと頭を下げるかなでさん。

【かなで】「でもさー、どうしたの焦っちゃって?」

【かなで】「まさか、部屋に見られちゃ困るようなものが」

【かなで】「……あれ?」

【陽菜】「あ……」

二人の視線が、一点に留まる。

俺の背後から、ひょいと桐葉が顔を出したのだ。

【かなで】「あれれれれれれ?」

【かなで】「えっ、なに? そーゆーこと?」

【かなで】「おーまいがーっ」

//Oh my god!//

【陽菜】「ちょ、ちょっとお姉ちゃん、落ち着いて」

【かなで】「ひゃ~、やっぱそうなんだ! うわぁ~っ」

【孝平】「……」

【司】「悪ぃ、お邪魔してるぞ」

【孝平】「……おう」

俺は諦めのため息をついた。

こうなってしまったものはしょうがない。

今はこの状況に甘んじることにしよう。

【孝平】「まあ、とりあえず入って」

【桐葉】「お邪魔します」

言われた通り、桐葉は部屋に入っていった。

かなでさんと陽菜は、その様子を凝視している。

司はマンガに夢中だ。

【孝平】「狭いけど、そこらへんに座ってくれ」

【孝平】「司、お前のざぶとん回せ」

【司】「おう」

【司】「生あったかいけど、どうぞ」

ばさっ。

桐葉は黙って、そのざぶとんに座った。

……。

さて、これからどうしたものか。

【かなで】「ねえねえ、こーへーときりきりって付き合ってんの?」

【孝平】「いきなりですかっ」

単刀直入に聞かれた。

前置きなんておかまいなしなところが、かなでさんらしい。

【かなで】「ねね、やっぱそーなの?」

【陽菜】「そーなの?」

【桐葉】「はい」

【かなで】「わぁーっ」

【陽菜】「わわっ」

桐葉が素直に答えるので、二人とも驚いた様子だった。

というか、俺も驚いた。

本人にしてみれば、ただ聞かれたから答えただけだろうけど。

そうか。俺たち、付き合ってるんだ。

彼女の口から聞いて、今更実感してみたり。

【かなで】「そっかそっか。あのこーへーに彼女がねえ」

【かなで】「いやー、お姉ちゃんとしては感慨深いよ」

【陽菜】「よかったね、孝平くん」

【陽菜】「孝平くんの気持ち、通じたんだね」

陽菜はさらりとそんなことを言う。

その言い方じゃ、まるで俺がずっと片思いしてたみたいじゃないか。

確かにそうかもしれないけど。

【孝平】「……まあ、いいだろ。俺たちのことは」

【かなで】「よくないよ! 超ビッグニュースだよ!」

【かなで】「とりあえず乾杯しようよ乾杯!」

かなでさんは唐突にグラスを掲げた。

それにつられて、俺たちもそこらへんにあったペットボトルを掲げる。

【かなで】「ほらほら、きりきりもジュース持って!」

【桐葉】「え……」

【かなで】「いいからほらっ」

ぐいっ。

半ば無理矢理、「ゴーヤ茶」と書かれたペットボトルを持たされる桐葉。

あまり乾杯向きではないドリンクだと思う。

【かなで】「おーしっ、じゃあ何語で乾杯する?」

【孝平】「……何語でもいいっす」

【かなで】「おけ! じゃあロシア語でみんな一緒に!」

【かなで】「ザヴァーシェ、ズダローヴィエ!!」

いや、言えないし!

【桐葉】「ザヴァーシェ、ズダローヴィエ」

言えてるし!

【かなで】「んぐっ、んぐっ、んぐっ……」

【かなで】「ぷはー!」

【かなで】「やっぱめでたい席でのゴーヤ茶はおいしーねっ」

かなでさんはグラスの中身を一気した。

いつものことだけど、かなりハイテンションだ。

【陽菜】「そういえば、ケーキがあるよ」

【陽菜】「今日、お姉ちゃんと街で買ってきたの」

【かなで】「あー、そうだった!」

【かなで】「じゃあ次は、夫婦初めての共同作業ってやつだね♪」

【孝平】「だ、誰が夫婦ですか」

不覚にも顔が赤くなってしまう。

隣を見ると、桐葉は興味なさそうにあさっての方向を向いていた。

と思ったら、心なしか頬が赤い。

【かなで】「はーい、ここできりきりに突撃インタビュー!」

【かなで】「前にわたしがあげた風紀シール、もう使ったんですかぁ~?」

【孝平】「なっ!」

【桐葉】「使いました」

【桐葉】「ついさっき」

【かなで】「えええええっ!」

【陽菜】「ええっ」

白いまなざしが俺に集中する。

まるで痴漢でも見るような目つき、と思うのは俺だけか。

【孝平】「違う違う違う、誤解だ」

【かなで】「もう、このヤンチャ坊主めっ」

【かなで】「ちーっとばかり手が早すぎなんじゃないの~?」

【孝平】「だから違いますって」

【孝平】「司、なんとか言ってくれ」

【司】「ふっ」

鼻で笑われた。

【陽菜】「まあ、でも、仲良さそうで何よりだよね」

陽菜がよくわからないまとめ方をする。

絶対に誤解されてるし。

【かなで】「じゃあ話もまとまったところで、ケーキ切ろうか?」

【陽菜】「うん」

一ミリもまとまってない。

でも、話題がそれたのでよしとした。

【かなで】「きりきりも食べるでしょ?」

【桐葉】「私は、遠慮しておくわ」

そう言って、桐葉は立ち上がった。

【かなで】「えー? 遠慮しなくていいんだよ?」

【桐葉】「……いいえ」

桐葉はちらっと俺を見る。

どこか所在なげな様子だ。

このアットホームな雰囲気に戸惑っているのかもしれない。

さっきから冷やかされっぱなしだし。

【桐葉】「用事があるので、先に失礼するわ」

【桐葉】「お茶、ご馳走様」

【かなで】「そっかぁ」

【かなで】「じゃあまた今度、ケーキ大会やろーね」

【桐葉】「ええ」

桐葉は小さく微笑んでから、部屋を出て行った。

【かなで】「……きりきり、大丈夫かな?」

【孝平】「何がですか?」

【かなで】「いやーわたし、珍しいお客さんだからテンション上がっちゃってさっ」

【かなで】「ちょっと調子に乗っちゃたかな~、なんて」

【孝平】「大丈夫ですよ」

【かなで】「あははは、そう?」

【かなで】「じゃあこーへー、今からわたしの代わりに謝ってきてくれない?」

かなでさんは言った。

【孝平】「え? 今ですか?」

【かなで】「うん。フォローは早めの方がいいでしょ」

【かなで】「大丈夫。ケーキはちゃんととっといてあげるから」

にっこり。

かなり怪しい笑顔。

いや、かなでさんなりに、いろいろ気を遣ってくれてるのかもしれない。

【孝平】「じゃ、ちょっと行ってきます」

【陽菜】「行ってらっしゃい」

【かなで】「ごゆっくり~」

【司】「達者でな」

みんなにニヤついた顔で見送られ、俺は部屋を出た。

さて。

桐葉はもう、自分の部屋に戻ってしまっただろうか?

俺は携帯を取り出し、桐葉の番号を呼び出した。

プルルルル……プルルルル……

【桐葉】「もしもし」

【孝平】「おう」

【桐葉】「どうしたの?」

【孝平】「いや、今どこにいるのかなーと思って」

【桐葉】「今は本敷地に向かってるわ」

部屋に戻ったんじゃなかったのか。

【孝平】「あの丘に行くのか?」

【桐葉】「ええ」

【桐葉】「さっきはごめんなさい」

【桐葉】「急に席を立ってしまって」

【孝平】「気にするな。こっちこそ悪かった」

【桐葉】「まだ、慣れてないの」

【桐葉】「その、いろいろと……」

【孝平】「わかってる」

【孝平】「俺も、今からそっちに行くよ」

【桐葉】「え?」

【孝平】「あいつらに追い出されちゃったんだ」

【桐葉】「……そう」

【桐葉】「では、向こうで待っているわ」

【孝平】「すぐに行く」

ブチッ

俺は電話を切ってから、駆けだした。

【孝平】「桐葉!」

丘にたどり着くと、桐葉が横たわっているのが見えた。

俺は驚いて彼女に駆け寄る。

顔が泥だらけだ。

どうやら、俺を待っている間に、強制睡眠に突入したらしい。

【孝平】「また派手にすっ転んだなあ」

俺は苦笑しながら、彼女の顔を手でぬぐった。

本当に難儀な体質だと思う。

【孝平】「よいせ、と……」

俺は彼女の隣に、ごろりと横たわった。

あと一時間かそこらで彼女は目を覚ますだろう。

それまで、隣にいてやることにするか。

……。

ゆったりと流れる雲。

BGMは桐葉の寝息。

実に平和な時間だ。

こんなにのんびりとした気持ちになったのは、久しぶりだ。

……。

彼女が、会長たちの母親と面会したあの日。

あれから桐葉は談話室に来ることをやめた。

教室の窓から、ぼんやりと外を眺めることもなくなった。

その理由はわからない。

俺には、彼女が鬼ごっこをやめたように見えた。

もしくは中断しているか、そのどちらかだ。

どうしてだろう?

主が見つかったわけでもないのに。

【孝平】「……」

桐葉には、桐葉なりの考えがあるのだろう。

俺にできるのは、こうやってそばにいることぐらいだ。

それが彼女にとって、助けになってるかどうかはわからないけど。

頬に、何かがあたる。

さらさらとした感触だ。

後頭部がやけに温かい。

俺は、ゆっくりと目を開けた。

【桐葉】「……」

【孝平】「?」

桐葉と目が合う。

ものすごい至近距離だ。

【桐葉】「起きたの?」

【孝平】「……桐葉?」

視界が明瞭になり、ようやく自分の状況を理解した。

俺は今、桐葉に膝枕されているのだ。

その、柔らかい太腿の上で。

【孝平】「お前、いつ起きたんだ?」

【桐葉】「さっきよ」

【桐葉】「隣に貴方がいたから驚いたわ」

俺だって驚きだ。

こんなに都合のいい夢があるだろうか?

【桐葉】「……じろじろ見ないで」

【孝平】「んなこと言われても、目の前に顔があるし」

【桐葉】「では、もう一度寝て」

ぎゅっ。

桐葉は手で俺に目隠しをした。

その体温が、じわじわと心地いい。

【孝平】「なんかさ」

【孝平】「こうしてると、恋人同士っぽいな」

【桐葉】「そうかしら」

桐葉はそっけなく答える。

そこは肯定してほしいところだった。

【孝平】「じゃあお前は、恋人じゃないヤツにも膝枕するのか?」

【桐葉】「……」

こんなに間近にいたら、頬が赤いのもごまかせないだろう。

風とともに、ジャスミンの香りがした。

この匂いが鼻腔をくすぐるたびに、胸をぎゅっと締めつけられる。

泣きたくなるぐらいに、切なくなる。

【孝平】「桐葉」

【桐葉】「何?」

【孝平】「キス、してくれないか」

【桐葉】「……っ」

ぴくん、と桐葉の身体が反応した。

【孝平】「嫌か?」

【桐葉】「……嫌なら嫌と言うわ」

【桐葉】「前にもそう言ったでしょう」

ぶちぶちと言ってから、桐葉はそっと目をつぶった。

その長いまつげが接近してくる。

俺も目を閉じて、彼女の唇を受け止めた。

【桐葉】「……ん」

しっとりとした感触。

甘い吐息を舌先に感じた。

舌を伸ばし、温かい口内を探索してみる。

【桐葉】「……んっ……くっ」

俺の動きに応えるようにして、桐葉も舌を差し出した。

こくん、と唾液を飲み込む音が聞こえる。

緊張からか、少しだけ唇が震えていた。

……。

やばい。

さっきから、桐葉の胸が顔にあたっている。

ちょうど耳のあたりが、その豊かな乳房に挟まれている。

そんなことをされたら、当然のように下半身が反応してしまうではないか。

俺はぶっとばされるのを覚悟で、その胸に手を伸ばした。

【桐葉】「……」

桐葉はキスをやめて俺を見下ろした。

そのまなざしには、案の定冷ややかなものが含まれている。

【桐葉】「……要するに」

【桐葉】「下心があるのね?」

【孝平】「その通りです」

直球に対して、直球で返した。

今更ごまかしてもいられない。

なぜなら、俺の下半身はぱっと見てわかるほど勃起しているからだ。

それはもう、恥ずかしいほどに。

【孝平】「すまん」

もう謝るしかない。

【桐葉】「……謝らなくていいのよ」

【桐葉】「私も、下心がないわけではないわ」

……。

【孝平】「え?」

【孝平】「要するに、桐葉も……」

【桐葉】「それ以上言うと、痛い目を見るわよ」

桐葉は突然手を上げた。

俺に向かって、人さし指と中指を突き出してみせる。

【孝平】「ピース?」

【桐葉】「目潰し」

【孝平】「ちょ、ちょっと待て! 落ち着け!」

俺は慌てて立ち上がり、後ずさった。

【桐葉】「冗談よ」

淡々と桐葉は言う。

【孝平】「あんまり冗談に聞こえないんだよ」

【孝平】「せめて笑って言ってくれ」

すると、桐葉はわずかに口端を上げてみせた。

……誰が不敵に笑えと言った。

【桐葉】「……」

ふと、桐葉の視線が一ヶ所に留まる。

ちょうど、俺の下半身あたりに……。

【孝平】「あ……」

思わず手で隠す。

しかし、桐葉はその部分を凝視したままだ。

【桐葉】「……つらいの?」

【孝平】「まあ、そうだな」

【桐葉】「様子を見た方がいいのかしら」

恥ずかしそうに、そんなことを言う。

【孝平】「見るに越したことはない、と思う」

【桐葉】「そう」

【桐葉】「どうやって?」

【孝平】「それは……」

これは暗に、希望を聞かれているのだろうか?

ドキドキした。

いったいどうしたものか。

【桐葉】「……ここを、開ければいいのかしら」

桐葉は手を伸ばし、俺のベルトに触れた。

おぼつかない手つきでベルトを外し、ジッパーを下ろす。

とたんに、トランクスを突き破るような勢いでペニスが飛び出した。

【桐葉】「っ!」

桐葉は目を見張る。

まさかここまで怒張を極めているとは思わなかったのだろう。

【孝平】「……お願いがあるんだけど」

【桐葉】「え?」

【孝平】「俺のだけじゃなく、桐葉のも、見せてほしい」

【桐葉】「あ……」

【孝平】「できれば、胸を……」

しばしフリーズする桐葉。

【桐葉】「……わかったわ」

やがて首もとのリボンをほどき、ゆっくりとブラウスのボタンを外した。

//H-scene starts//

【桐葉】「……こういうことかしら」

【孝平】「おあっ!?」

桐葉は何を思ったのか、ブラウスからこぼれた乳房を使い──

ペニスを挟み込んできた。

いったい、俺の言葉をどう解釈したのだろう。

【桐葉】「違った?」

【孝平】「い、いや」

【孝平】「大正解」

【桐葉】「そう」

桐葉は納得したようにうなずいた。

これは……。

この状況は、なんなんだ。

夢の続きなのだとしたら、ぜひとも醒めないでいただきたい。

【桐葉】「それで……」

【桐葉】「どうしたらいいの」

【孝平】「ええと」

【孝平】「胸で強く挟んだり、動かしたり」

俺もたいがい図々しいヤツだ。

しかし桐葉は、何も言わずに、両脇から乳房をぎゅっと押し上げた。

【孝平】「くぅ……!」

柔肉にプレスされ、亀頭が赤く充血する。

あまりにも気持ちよくて、気絶しそうだった。

【桐葉】「これでいいの?」

【孝平】「ああ……」

ぎゅっ。ぎゅぎゅっ。

ほんのりと汗ばんだ肌が、竿に密着している。

まるでつきたてのお餅みたいな感触だ。

【桐葉】「んっ……んんっ……」

乳房を抱え、持ち上げるようにしてペニスを刺激する。

口から漏れる吐息が、ときおり先端にかかるのがたまらない。

強い風が吹き、桐葉の髪がペニスに絡まる。

空には太陽。

丘の向こうには青い海。

誰もいない草原で、いやらしいことをしている俺と桐葉。

こんなとこ、誰にも見られない保証はないのに。

それでも俺は、この快感を中断する気にはなれない。

【桐葉】「……ふぅっ……んっ」

【孝平】「うぅ……」

圧迫された亀頭から、ちろちろと先走りの汁が漏れる。

透明な汁は亀頭を伝い、白い乳房に落ちていった。

ぬめぬめと輝く肌。

柔肉に、木洩れ日が影を作っている。

【桐葉】「痛く……ない?」

【孝平】「ああ」

【桐葉】「でも、赤くなってる」

【孝平】「それは気持ちいいからだ」

【桐葉】「……こすると、気持ちよくなるのね?」

【孝平】「まあな」

【桐葉】「そう」

桐葉は亀頭を見つめ、さらに激しく乳房を揺らしてきた。

【孝平】「あっ……」

ぎゅぎゅっ……ぬちゅっ……ぬちゅぅっ。

先走りの汁が絡まり、水気を帯びた音がする。

乳房にもみくちゃにされた亀頭は、ぴくぴくと身を震わせていた。

俺は汗だくになりながら、桐葉の髪を手でかき上げる。

汗の匂いとジャスミンの匂いが混じり、さらなる興奮を催す。

【桐葉】「汁が、たくさん出てきたわ」

【桐葉】「ブラウスがもうベタベタよ」

【孝平】「すまん」

【孝平】「洗って返す」

【桐葉】「私に裸で帰れと言うの?」

【孝平】「まさか」

【孝平】「桐葉の裸を見られるのは、俺だけだ」

【桐葉】「……わかってるならいいわ」

ぬちゅっ、ぬちゅうううっ……!

強い力で、搾るようにして乳房を持ち上げられた。

【孝平】「だ、ダメだっ」

【桐葉】「どうしたの?」

【孝平】「そんなことしたら……」

【孝平】「いろんな意味で、たいへんなことになる」

【桐葉】「……たいへんなこと?」

桐葉は首を傾げた。

【孝平】「だから、このままだと……」

【桐葉】「んっ……」

俺の言葉を遮るように、突然温かい物が俺の亀頭に触れた。

【孝平】「ううぅ!?」

俺は呆然と、その光景を見つめる。

桐葉の愛らしい唇が、俺のペニスを含んでいるのだ。

もしここで夢が醒めたら、俺は発狂するかもしれない。

【桐葉】「んちゅ……ちゅぅ」

【孝平】「あ……っ」

先端を、舌全体で舐め回される。

その甘美な感触は、俺の理性をあっけなく吹っ飛ばしていく。

【孝平】「だ、大丈夫か?」

【桐葉】「んん……少し、苦い」

【桐葉】「それに、とても熱いわ」

実況されると、ものすごく恥ずかしいものがある。

大事な部分を支配され、俺はもうどうすることもできない。

【桐葉】「……ぅっ……んぷ、ちゅっ」

今度は、舌先がピンポイントで割れ目を突いてきた。

ねっとりとした質感に、腰がビクビクと震えてしまう。

桐葉は舌を動かしながらも、乳房を揺らすのをやめない。

俺が触れてもいないのに、だんだん乳首が膨らんでくる。

ペニスをくわえて興奮しているのだろうか。

あのクールな桐葉が……。

【孝平】「桐葉も、硬くなってる」

俺は、チェリーピンクに染まった乳首にそっと触れた。

【桐葉】「あ……んっ……!」

熱く充血したそれは、ぴくんと自己主張して応える。

ころころと指で転がすと、桐葉は苦悶に顔を歪めた。

ちょっと触れただけで、こんなに感じてる。

それを表に出さないようにしている様子が、なんとも愛しい。

【桐葉】「んぷ……ちゅ、んちゅぅ」

俺に負けじと、やみくもに亀頭を舐め回してくる。

こんな時も負けず嫌いな性格が出るらしい。

俺は少しだけ力を入れて、乳首をつねった。

【桐葉】「ふぅ……っ!」

桐葉は全身をこわばらせ、呻く。

やがて唇が弛緩し、口端から唾液が垂れてきた。

俺の彼女は、なんていやらしい顔をするんだろう。

こんな場所であられもなく胸を出して、おまけにペニスまでくわえて……。

【桐葉】「だ……駄目よ」

【孝平】「何が?」

【桐葉】「そこは……膝が震えてしまうわ」

哀願するような目。

桐葉にこんな顔をさせられるのは、きっと俺だけだろう。

【孝平】「だって、すごくかわいいからさ」

ぷにっ。

ボタンを押すみたいにして、乳首を突く。

【桐葉】「やはぁっ……」

ペニスをくわえながら、声にならない声を漏らした。

唾液でべとべとになったペニスを、必死に乳房で挟み込みながら。

【孝平】「……何度見ても綺麗だな」

【桐葉】「本当……?」

【孝平】「ああ」

こんなに美しいものを、汚しているような罪悪感。

なのに、もっともっと汚してしまいたいと思う。

そんな俺は、かなり倒錯してるのかもしれない。

【桐葉】「あむっ……んんっ、んぐっ」

桐葉は息を吸い込んでから、さらに深くペニスを飲み込んだ。

全体があたたかい粘液に包まれ、思わずよろめいてしまう。

その攻撃は反則だ。

【孝平】「うわ……熱っ……」

だんだんと桐葉の舌が、激しさを増してくる。

ただ舐めるだけでは飽きたらず、今度は強めに吸いついてきた。

【桐葉】「ちゅうぅ、んちゅぅ」

【孝平】「ちょ……ちょっと、あぁっ」

身体の中心に、甘いしびれが走る。

眩暈がするのは、この暑さのせいだけではないはずだ。

【桐葉】「あふ、ぁ……ビクビクしてる……」

乳房で柔らかく包みながら、熱い息を吐きかけられた。

意識が遠のきそうになり、奥歯を噛みしめる。

【桐葉】「んく、じゅるっ……ちゅぷうぅ」

唾液と先走りの汁が混ざり、俺の怒張したものを熱く包囲する。

波打つ粘膜の中で、それはぱんぱんに腫れ上がっていた。

【孝平】「……苦しくないか?」

【桐葉】「ん……」

【桐葉】「でも、大丈夫」

【孝平】「無理しなくていいんだからな」

【桐葉】「無理ではないわ」

【桐葉】「……私の意志よ」

胸の奥が、ぎゅっと熱くなる。

同時に、股間もさらに熱をもった。

桐葉の胸元は、もう漏れた唾液でべちゃべちゃになっている。

濡れた髪が頬や首筋に絡みついているのが、妙に淫靡だ。

【桐葉】「んぐ、んちゅ……ちゅるっ……んむぅ」

【孝平】「あぁ……桐葉……」

あまりの気持ちよさに、足下がぐらぐらと揺れる。

なんとか自分を保つのに精いっぱいだ。

やたらと下腹部がしびれる。

もう、かなりやばいところまで来ているのだ。

【桐葉】「あむぅ、んぷ、んちゅっ、じゅる……っ」

【孝平】「駄目だ……そんなに激しくしたら……」

【桐葉】「んん? ……んぷぅ、んくっ、ちゅるぅっ」

桐葉は、より激しいストロークを繰り出した。

頭を前後に激しく振り、喉奥へと亀頭を吸い込む。

これは、本気でまずい。

俺は桐葉の頭を抱え、深く息を吸い込んだ。

目の奥がチカチカする。

内臓がせり上がる感覚。

絶頂はもうすぐそこだった。

【桐葉】「じゅぷ、んぷぅ、んっ……んぷぷぅ」

【孝平】「あっ……くぅっ」

唾液と粘膜が亀頭に絡まり、もう何も考えられなくなっていく。

【桐葉】「……じゅぷぅ、ちゅぱっ、はぁん……んぐっ」

【孝平】「あぁ……もうっ……!」

桐葉の頭を掴み、俺も激しく腰を動かす。

喉奥へと突き刺すようにして、やみくもにグラインドさせた。

桐葉は苦しそうにしながらも、深くペニスを飲み込んだ。

最深部に到達した瞬間、股間がぶるぶると震える。

【桐葉】「んくぅ、んぐっ、あむぅぅっ」

【孝平】「も、もう……いくっ……!」

……びゅく! びゅくううぅ! びゅびゅっ!

【桐葉】「んん……っ!」

俺は、桐葉の喉奥目がけて思いきり射精した。

堪えきれなくなったのか、途中で桐葉が口を離す。

膝から崩れそうになるのを押しとどめるので精一杯だ。

ペニスはドクドクと脈打ち、たまった精をそのまま吐き出し続ける。

まるで遠慮のない、大量の精液だった。

【孝平】「はぁ……あぁ……」

いきなり熱いものを吐き出され、桐葉はかなり驚いたようだった。

顔や髪に、白い液体を付けたまま、呆然としている。

【桐葉】「んっ、んぐ……」

やがて口に受け止めた分を、ごくりと一気に飲み干した。

【桐葉】「……ふぅ……んっ」

頬についた白濁液が、とろりと口端へと垂れていく。

それを舌でぺろりと舐めとってから、もう一度ゴクリと嚥下した。

【孝平】「びっくりしたのか?」

こくり。

桐葉はうなずいた。

【桐葉】「急に出てきたから」

【孝平】「……残りは、飲んじゃったのか?」

【桐葉】「……飲んではいけないものだったの?」

【孝平】「い、いや……」

いけないわけではない。

むしろ、男としては嬉しいことだ。

……。

ふつふつと、感動にも似た思いが胸に染み渡る。

もちろん、桐葉の献身的な行為に対してだ。

【孝平】「あぁっ……!」

桐葉は、先端に滲んだ精液をぺろりと舐めた。

敏感な部分を粘膜で刺激され、くすぐったいような感覚が走る。

【桐葉】「まだまだ出てくるのね」

【孝平】「……そうみたいだな」

【桐葉】「止められないの?」

【孝平】「俺に聞かず、こいつに聞いてくれ」

俺は、一向に勃起が収まらないそれを手に取った。

たっぷりと舐められたペニスは、恥ずかしいほどにてかてかと輝いている。

呼吸を整えても、ちっとも硬さは衰えない。

まるで、まだまだ役割を全うしていないと誇示するように。

……。

俺は、桐葉をちらりと見た。

自分ばかり気持ちよくなるのは、はたして紳士的な行為と言えるのか。

答は、否だ。

【孝平】「桐葉」

【桐葉】「?」

【孝平】「俺、桐葉にも気持ちよくなってほしい」

【桐葉】「え」

ぽかんと口を開ける。

素で驚いているようだ。

【孝平】「いいか?」

【桐葉】「それは……」

恥ずかしそうにうつむいてしまう。

「女が嫌と言わないのは、そういうこと」

彼女の言葉を、頭の中で反芻した。

【孝平】「……立ってくれ」

【桐葉】「ぁ……」

戸惑う桐葉を立たせ、近くの木に手をつかせた。

その背後に回り、制服のスカートを脱がせる。

【桐葉】「ま、待って」

俺の暴挙に、桐葉は弱々しくストップをかけた。

腰を突き出すような恥ずかしいポーズ。

薄紫のつるりとした生地がまぶしかった。

シンプルなデザインだけに、余計いやらしく映る。

欲望を吐き出したばかりのペニスが、再び奮い立った。

【桐葉】「駄目……あぁっ」

俺は剥き出しの股間を、桐葉のお尻にこすりつける。

薄布越しに、性器と性器が重なり合った。

【桐葉】「熱い……あふっ……」

ペニスの先端に、湿り気のようなものを感じる。

見れば、ショーツにうっすらと染みができていた。

もうあそこが濡れてしまっているのだ。

俺はペニスに手を添え、陰部のあたりをぐりぐりと刺激してみる。

じゅわ、とさらに愛液が滲んだ。

【桐葉】「やぁ、あぁ……」

ふるふると頭を振り、背中を仰け反らせる。

ピンと張った脚は紅潮し、玉のような汗が浮かんでいた。

俺は彼女のショーツに手をかけ、ゆっくりと下ろしていった。

【桐葉】「あっ……はあぁっ」

あらわになったお尻が、俺の目に飛び込んでくる。

きゅっと締まった形のいいお尻だ。

その白い柔肉の真ん中には、とろみを帯びたピンク色のあそこが見える。

たっぷりとした愛液で濡れた陰唇は、恥ずかしそうに身を縮こまらせていた。

【孝平】「桐葉……行くよ」

俺はとろとろになった膣口に亀頭を差し入れ、そのまま腰を押し進めた。

【桐葉】「あ……あああぁっ!」

やはり中はキツイ。

侵入者を拒むような堅さが残っている。

だが、潤いは十分だ。

ノックするように腰を動かすと、少しずつ性器が中に収まっていく。

【桐葉】「くはぁ……あ……奥に……っ」

下半身を震わせながら、桐葉は高らかな声をあげた。

ぱっくりと割れた陰部は、完全に俺のペニスをくわえ込んでいた。

ここからだと、お尻の穴まで丸見えだ。

その小さなすぼまりも、快感に喘ぐようにヒクついている。

【孝平】「もうこんなに濡らしてたんだな」

【桐葉】「……し、知らないわ」

【桐葉】「貴方がそうしたんでしょう」

人のせいにされた。

自分で勝手に濡らしたくせに、ずるい人だ。

俺は、下から突き上げるようにして腰を揺らした。

【桐葉】「くぅ……うぅ、はぁ、あぁっ」

ヌチュヌチュと性器がこすれ合う。

内部はみっちりと締まり、粘膜が絡みついている。

思わず白旗をあげたくなるような感度のよさだ。

【桐葉】「も、もっとゆっくり……」

ずぶぅっ!

【桐葉】「はぁんっ!」

一番深いところを突くと、桐葉は身体をしならせた。

俺は背後から覆い被さるようにして、両手で乳房を揉みほぐす。

【桐葉】「あふ、んくっ、あぁ……」

手に収まりきらないほどの双球を、たぷたぷと愛撫した。

乳首はこれ以上ないほど硬く尖っている。

膣内は少しずつほぐれ、粘膜が一斉に収縮を始めた。

俺は桐葉の背中にむしゃぶりつき、快感の波が通り過ぎるのを待つ。

……今のは、かなり危なかった。

【桐葉】「奥に、来てる……あぁっ」

桐葉はこらえきれないといった様子で、木に爪を立てた。

ブラウスの上から肩甲骨のラインにそって舌を這わす。

【桐葉】「ふうぅ、あふぅっ」

びくん、と膣壁がうねり、さらに締めつけが強くなる。

【孝平】「桐葉の中、ビクビクしてる」

桐葉は潤んだ瞳で、ちらりと背後を向いた。

【桐葉】「ねえ……お願い」

【孝平】「ん?」

【桐葉】「私をふしだらな女だと、思わないで……」

ずっぽりとペニスをくわえ込んだまま、そんなことをつぶやく。

【孝平】「この格好は、どこからどう見てもふしだらじゃないか?」

【桐葉】「う……っ」

【孝平】「でも俺は、そんな桐葉が好きだ」

【孝平】「だからもっと、ふしだらになってほしい」

【桐葉】「……ふぅ」

【桐葉】「もう、どうにでもして」

その言葉で、火が点いた。

俺は桐葉の腰をがっちりと抱え、ずぶずぶとペニスをねじ込んでいく。

【桐葉】「あっ、はぁ、ふはぁ、あぁっ」

ペニスの出し入れによって、蜜壺から愛液がとろとろと溢れだす。

桐葉もリズミカルに腰を動かしてきた。

陰唇は赤く腫れ、さらに俺の怒張したものを飲み込んでいく。

【桐葉】「あぁ……も、もっと……」

【桐葉】「来て……あぁ……っ」

お尻の肉を揉みながら、縦横無尽に腰を動かす。

以前よりも、もっと素直に俺を求めているのがわかった。

桐葉も、自分を解放しようとしているのだ。

さらなる高みへと昇るために。

【桐葉】「はぁっ、はふぁ、いいっ……あふぅっ」

ぬぷっ! ずぷぷぷっ、ずぷぅ!

亀頭まで引き抜き、一気に奥へと腰を進める。

激しいグラインドに、桐葉は髪を振り乱して声を上げた。

【桐葉】「やぁ、あふぅ、壊れちゃう……あぁ、ひはぁっ!」

内部の収縮が、だんだんと激しくなる。

下半身が断続的に震え、その長い脚がさらにピンと張った。

絶頂に近いところまで来ているのかもしれない。

【桐葉】「くはぁ、はぁっ、あん、もう、立っていられな……いっ」

【桐葉】「私、あぁっ、奥が、ヘンなの……はあぁっ」

ぶるぶると痙攣する腰を抱え、小刻みに膣内を突きまくった。

二人の制服は、お互いの体液ですっかりびちょびちょだ。

ここが外だということも忘れて、ただひたすらにラストスパートを駆け上る。

【桐葉】「はふん、はうぅ、あっ、私、もうっ……んふううっ」

それにしてもよく締まる。

おかげで、俺もいっぱいいっぱいだ。

もうこれ以上は我慢できそうにない。

【桐葉】「ふうぅ、はふぅ、あふっ……来る、あああああぁっ」

最後の力を振り絞って、激しく腰を揺らす。

桐葉もまた、俺に思いきり腰をぶつけてきた。

互いの性器は一体化し、意識が遥か上空へと導かれていく。

【孝平】「くぅっ……!」

【桐葉】「あっ、あふぁっ、来る……んくぅ、あぁ、はああぁっ」

【孝平】「俺も、一緒に……っ」

【桐葉】「一緒に……あぁ、お願い、あふぁ、中にっ……あああぁっ!」

腰に指を食い込ませ、俺は強くペニスを前後させた。

最深部を亀頭がえぐった瞬間、下腹部が暴発する。

【孝平】「あ……桐葉ぁ……っ!」

【桐葉】「あああぁ、いくぅ……! はふああああああぁっ……!」

びゅくううっ! びくっ! びゅくくくっ!

【桐葉】「ひああぁっ、ああぁっ……!」

膣奥をめがけて、たまりにたまった欲望をぶちまけた。

二度目とは思えないほど、力強い射精だった。

激しすぎる快感に、頭の中がぐるぐる回る。

俺は息を切らせながら、ゆっくりとしたグラインドを続けた。

【孝平】「うっ……はぁ……はぁっ……」

【桐葉】「はぁ、あぁ……はあぁ……」

桐葉は絶頂の余韻を噛みしめるように、きゅっきゅとペニスを締める。

内部は愛液と精液とで、マグマのように熱くなっていた。

【孝平】「くぅ……」

ほんの少しだけ、ペニスを引き抜く。

内部からどろりと、半透明の液が垂れた。

【桐葉】「ま、まだ駄目……」

【桐葉】「……すごく、敏感なの」

【孝平】「ごめん」

陰唇は小刻みにヒクついている。

その小ぶりな花弁は、お互いの体液ですっかりねばついていた。

【桐葉】「貴方の……中で動いてる」

【桐葉】「ずいぶんたくさん出したようね」

【孝平】「……ああ」

言い訳の余地はない。

どこにしまってあったんだというくらい、大量に出してしまった。

桐葉の中で。

【孝平】「その……」

【孝平】「申し訳ない」

【桐葉】「いいえ」

【桐葉】「悪い気はしないわ」

【孝平】「えっ」

桐葉は俺をちらっと見てから、すぐにうつむいた。

いいのだろうか。

少なくともこの反応を見る限りでは、大丈夫らしい。

【桐葉】「……もう、抜いても平気よ」

【孝平】「あ、ああ」

俺は息を吐いてから、ゆっくりとペニスを引き抜いた。

【桐葉】「んっ……」

案の定、中にたまっていたものがトロトロと地面に垂れていく。

中途半端に下げたショーツは、もうべちゃべちゃになっていた。

……これは、いったいどうしたものだろう。

途方に暮れていると、桐葉は身体を起こし、するりとショーツを脱いだ。

次にポケットからハンカチを取り出し、ショーツをくるんで再びポケットに戻す。

【孝平】「……あれ?」

【孝平】「はかないのか?」

【桐葉】「もうはけないわ」

【孝平】「でも」

【桐葉】「このまま帰るわよ」

……。

それってつまり、ノーパンということか?

【孝平】「だ、ダメだ」

【桐葉】「は?」

【孝平】「もし何かあったらどうするつもりだ」

【孝平】「風に吹かれたり、転んだりしたら」

【桐葉】「そんなヘマしないわ」

【孝平】「いや、わかんないだろ」

【孝平】「とにかくパンツをはけ」

【孝平】「なんなら俺のを貸してやる」

【桐葉】「遠慮しておくわ」

さらりと言ってから、桐葉はポケットティッシュを取り出した。

数枚取り出し、俺のペニスをそっとくるむ。

【桐葉】「私のせいで、汚れちゃったわね」

【孝平】「汚れてなんか……うぅっ」

俺もまだ敏感になっているらしい。

テッシュ越しに触れられているだけで、下半身がガクガクしてしまう。

桐葉は亀頭から根元までふいてから、丁寧にトランクスまではかせてくれた。

なんだか気恥ずかしい。

【孝平】「じゃ、今度は俺の番だ」

【桐葉】「い、いいわよ」

【孝平】「ダメだ」

隙を突いてティッシュを横取りし、そっと彼女のスカートをまくり上げる。

桐葉は観念したのか、少しだけお尻をこっちに向けた。

まだ愛液で湿っている陰部にティッシュを添え、優しくこする。

【桐葉】「んっ……」

とたんに覇気をなくし、フツーな女の子の顔になる。

ホントに感じやすくできてるのだ。

くちゅつ……ぬちゅ……。

ティッシュに愛液が染みる。

桐葉は泣きそうな顔になって、身をよじった。

【桐葉】「も、もういいの」

【孝平】「いや、まだ奥の方が」

【桐葉】「駄目」

【孝平】「遠慮すんなって」

【桐葉】「……叱るわよ」

氷河期を予感させるような目。

【孝平】「どういう風に?」

【桐葉】「どうもこうもないわ」

【桐葉】「こっぴどく叱るだけよ」

それはちょっと体験してみたい気もする。

だが、彼女を不機嫌にさせるのは得策ではない。

俺はそっと陰部から手を放した。

【孝平】「はい、完了」

【桐葉】「……ふぅ」

//H-scene ends//

桐葉は手早く身だしなみを整えた。

きりりと背筋を伸ばせば、いつもの桐葉のできあがりだ。

ノーパンだということを除いては。

【孝平】「やっぱり心配だ」

【孝平】「うっかり誰かにスカートめくりされたらどうする」

【桐葉】「されないように、貴方が守って」

【孝平】「……ったく」

しっかりしているようで、実は危なっかしいんだ。この人は。

自分が男にどう見られているかなんて、まったく気にしてないのだろう。

桐葉を見てると、時々不安になる。

こんなに綺麗で魅力的な女の子が、本当に俺を好きでいてくれるのか?

ただの気まぐれじゃなくて?

……なんて、乙女なことを考えてしまう。

これが、惚れた弱みというヤツか。

【孝平】「さて、そろそろ帰るか」

【孝平】「思わぬ長居だったな」

などと言いながら、俺は一歩踏み出した。

しかし、桐葉はついて来ない。

その場で立ち止まったままだ。

【孝平】「どうした?」

【桐葉】「……別に」

【孝平】「ん?」

【桐葉】「いいから先に行って」

【孝平】「はぁ?」

【桐葉】「いいから」

【桐葉】「何度も言わせないで」

【孝平】「……はい」

殺気のようなものを感じ、俺はてくてくと歩き出した。

何か怒らせるようなことをしてしまったのか。

心当たりは、あるようなないような。

【孝平】「……」

歩く。

すると、後から桐葉がついてくる。

止まる。

すると、桐葉も止まる。

いったい何をしてるんだろう?

不思議に思いながら、俺は再び歩き出した。

……。

桐葉も歩き出す。

やがてすぐ背後に、彼女の気配を感じた瞬間──

俺の左手に、温かいものが触れた。

桐葉の手だった。

【孝平】「……」

【桐葉】「……」

俺は何も言わず、その手を強く握り返す。

きっと彼女は、今頃真っ赤に顔を染めていることだろう。

だから俺は、あえて振り向かない。

彼女が誰よりも照れ屋だということを、知っているからだ。

//Another view : Kiriha//

草原は続く。

もうどれくらい歩いただろう。

爽やかな風が吹いている。

私は隣を歩く彼を見上げた。

彼も同じように、私を見る。

つないだ手は温かい。

……ねえ、聞いてくれる?

このままずっと、どこまでも一緒に歩けたらいいのに。

なんて、恥ずかしくていつも言えないけど。

心からそう思う。

貴方と二人で。

どこまでも。

いつまでも──

……。

びゅうぅぅぅぅっ

【桐葉】「……っ!」

強い風が吹き、吹き飛ばされそうになる。

私は彼の手を強く握りしめた。

はぐれてしまわないように。

なのに──

彼の手が、ふと軽くなる。

熱を失っていく。

まるで紙でできているかのように、存在が薄くなった。

【桐葉】「駄目……」

私は彼の名を呼んだ。

何度も何度も呼んだ。

【桐葉】「お願い」

【桐葉】「お願いだから……」

行かないで。

私を一人にしないで。

ずっと手をつないでいて。

お願いだから……。

【桐葉】「あぁ……」

彼のぬくもりが、手のひらから消えていく。

絡めていたはずの指が、透明になる。

その笑顔が、灰色の空に消えていく。

【桐葉】「行かな……いで……」

私の声は、風に吹き消された。

彼の残像とともに。

どれだけ手を伸ばしても。

もう、私の手を取る人はいない。

いない……。

……。

誰か教えて。

彼は、どこに行ってしまったの。

どこに消えてしまったの?

【??】「……死んだよ」

【??】「あの男は、お前を残して死んでしまったよ」

……死んだ?

私を残して?

【??】「最初からわかっていたはずだ」

【??】「お前の大切な人は、いつかお前を残して消えることを」

【??】「なのに、お前は自らそれを選んだ」

私が、選んだ。

その通りだ。

先のない恋だとわかっていても。

私は選ばずにはいられなかった。

【??】「……お前は悪くない」

【??】「ただ、選択を間違っただけだ」

【??】「お前は幸せになるための選択を間違ったのだ」

【桐葉】「間違ってなどいない!」

間違いであるはずがない。

彼と過ごした時間を。

彼にもらったぬくもりを。

……人を愛する気持ちを。

間違いだなんて言葉で、片づけたくはない。

例え、彼がいなくなっても……。

【??】「……そんなものが何になる?」

【桐葉】「……っ」

【??】「もう一度よく考えろ」

【??】「お前は、誰を選ぶべきだったかということを」

【??】「……思い出せ」

びゅうぅぅぅぅっ

【桐葉】「くっ……!」

声の主は、どこかに行ってしまった。

灰色の世界で、今度こそ私は一人になる。

……。

誰もいない世界。

彼は、もう戻らない。

どれだけ名前を呼んでも。

手を伸ばしても。

彼は戻らない。

もう二度と──

……頬を何かが伝う。

その感触で、私は目覚めた。

無機質な天井の模様が、しだいに明瞭になる。

【桐葉】「夢……」

私は涙をぬぐい、つぶやいた。

夢。

ただの夢だ。

なのに涙が止まらない。

体中の水分が流れ出るよう。

……どうして。

どうしてこんなに不安になるの?

今まで、一度だってこんな気持ちにならなかった。

不安なんて、とうの昔に忘れた感情だった。

……。

彼に出会うまでは。

彼と出会ってから、毎日が楽しくて。

嬉しくて。

幸せで。

私は、その先に待つものから目を逸らしてきた。

【桐葉】「うっ……うぅ……」

喉奥から嗚咽が漏れる。

私は、この身体の震えを止める術を知らない。

灰色の喪失感が、心を支配する。

……。

これは、私が選んだことだ。

最初からわかっていた。

なのに……。

//Another view ends//