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//August 5//

翌日。

俺はさっそく会長に、昨日の一件を報告した。

たった一本の枝ではあるが、新しい芽が出たということ。

土壌を改善すれば、さらなる成長が見込めるかもしれないということも。

【伊織】「そうだったのか」

【伊織】「お疲れ様。大変だったろう?」

喜ぶでもなく、悲しむでもない。

会長はあくまで無表情だった。

【伊織】「俺の方から、もう一度樹木医の先生に連絡してみるよ」

【伊織】「君からの報告も、そのまま伝えておく」

【伊織】「それでいいかな?」

【孝平】「はい、ありがとうございます」

ぺこりと頭を下げた。

何はともあれ、これでまた可能性が広がった。

あとは専門の先生に、改めて診てもらうことにしよう。

……。

俺たちがケヤキの世話をしているという話は、少しずつ寮に広まっていた。

中には、手伝いを申し出てくれる人もいる。

あのケヤキを大切に思っているのは、俺とかなでさんだけじゃないのだ。

それが実感できただけでも、大きな収穫だった。

【孝平】「おっ」

寮に向かって歩いていると携帯が鳴った。

かなでさんからのメールだ。

『これからの相談をすることにしたので部屋に来るよーに』

『ベランダのハシゴを下ろしとくから、好きなときに入ってきて』

俺としてはまったく問題ないが。

なんでまた、かなでさんの部屋なんだ?

部屋に帰り、さっそくベランダへ向かう。

窓を開くと、金属製の避難はしごが下りていた。

使われているのはよく見るが、自分で使うのは初めてだ。

【孝平】「……」

妙にドキドキする。

同意の上とはいえ、外から彼女の部屋に侵入するなんて……。

すたっ

無事に、かなでさんの部屋のベランダに到着。

ふふふ。

なぜか愉快で危険な気分だ。

【孝平】「こーんにーちわー(小声)」

窓越しに室内を窺う。

窓際のベッドで、かなでさんは寝ていた。

人を呼んでおいて昼寝とは……流石だ。

静かに窓を開け中に入った。

【かなで】「すぅ……すぅ……」

吹けば飛んでしまいそうな、か細い寝息が聞こえる。

目を覚ます気配はない。

【かなで】「う……ん……」

苦しげな寝言が漏れた。

このところ、ケヤキのために働きづめだった。

かなり疲れてるんだろうな。

【孝平】「……」

ふと、テーブルに積み上げられている本が目に入った。

植物に関する本のようだ。

試しに中を見てみると、活字ばかりの専門書だった。

こんなのまで読んで勉強してるのか。

【かなで】「ん……もっと、掘らない……と……」

【かなで】「諦めたらだめなのに……でも……」

【孝平】「かなでさん……」

【かなで】「もう……だめ」

夢の中でも溝を掘ってるらしい。

【かなで】「と、諦めたそのときだった……」

【かなで】「南側の壁面に、大きな横穴が現われた」

【孝平】「は?」

【かなで】「我々は、重機による発掘をやめ、手作業で慎重に掘り進む……」

【かなで】「そして2時間……明らかに自然物ではない石組みが現われたっ!」

埋蔵金発掘かよ。

【孝平】「かなでさん」

【かなで】「果たしてこの先に、我々の求める……」

【孝平】「か な で さ ん」

揺すってみる。

【かなで】「ん……あ、あれ……」

【孝平】「支倉、到着ですよ」

【かなで】「お、おいしい……生活……」

【孝平】「いや、あの」

【かなで】「ぱたり」

また寝てしまった。

埋蔵金はともかく、疲れているのは確かそうだ。

少しこのままにしておいてあげよう。

かなでさんが自然覚醒するまで、テーブルの専門書を読んでみることにした。

【かなで】「予防法としては、冬季に石灰硫黄合剤を散布……と」

【かなで】「やっぱり、もっと早く対策を練るべきだったんだね」

【孝平】「しかたないですよ、それは」

【孝平】「ここまで前進したんですから、よしとしましょう」

【かなで】「うん」

しばらくして……。

俺たちは今後の対策を練っていた。

机の上には、専門書が所狭しと広げられている。

【孝平】「ここに書いてある薬剤関係は、素人には扱えないでしょうね」

【かなで】「そうだね。専門の人に聞いてみないと」

【かなで】「あ、お湯沸いた」

【かなで】「今お茶淹れるから、待っててね」

【孝平】「はい」

かなでさんは流しの方へと歩いていった。

……。

こうやって二人でゆっくりできるのは、かなり久しぶりのことだった。

ケヤキが芽吹いたこともあって、気分も明るい。

肩の力がふっと抜けた感じだ。

【かなで】「紅茶とチャホウキタケモドキ茶、どっちがいい?」

【孝平】「……はい?」

【かなで】「紅茶とチャホウキタケモドキ茶」

前者はいいが、後者がまったくわからない。

というか、飲みたくない。

【孝平】「じゃあ、紅茶で」

【かなで】「チャホウキタケモドキ茶ね。わかった」

【孝平】「かなでさん」

【かなで】「はい?」

【孝平】「俺を実験台に使うのはやめてください」

【かなで】「ありゃ、なんでわかったの?」

かなでさんはにこにこしながらティーセットを持ってきた。

一応、紅茶の香りが漂ってホッとする。

【孝平】「わかるも何も、そのまんまじゃないですか」

【かなで】「だってさ、よくわかんないお茶飲むの怖いでしょ」

【かなで】「わたしの胃、デリケートだし」

【孝平】「朝からカツ丼食べても余裕な人が、よくもまあ」

【かなで】「失礼だなー。余裕じゃないよ」

【かなで】「一応気を使って、ロースじゃなくヒレをチョイスしてるんだから」

気の使い方を間違ってると思う。

まあ、胃腸が元気なのはよいことだ。

【かなで】「さて、そろそろかな?」

ポットの蓋を開けて、茶葉の開き具合を確認する。

最近、陽菜に紅茶の淹れ方を教わったらしい。

【かなで】「えへへ、いい匂い」

【かなで】「こーへー殿、お茶請けを用意したまえ」

【孝平】「御意」

ここで満を持して、黒糖バームクーヘンが登場。

白ちゃんにもらったおやつだ。

【かなで】「やったー!」

【かなで】「ふふふっ、幸せ~♪」

本当に幸せそうな顔で笑う。

紅茶とお茶請けで、しばしブレイクタイムと相成った。

【孝平】「……」

【かなで】「?」

【かなで】「どうしたの?」

【孝平】「いや、まつげ長いなあと思って」

【かなで】「そ、そう?」

【孝平】「はい」

久しぶりに二人きりだからか、ドキドキする。

なんとなく、言葉少なくなってしまったり。

俺は深く息を吸って、呼吸を整えた。

【かなで】「こーへー? どーしたの?」

【かなで】「なんか今日、大人しいね」

【孝平】「そうですか?」

【かなで】「熱でもあるんじゃない?」

【かなで】「どれ、お姉ちゃんが計ってあげようか」

かなでさんは自らの前髪を上げ、おでこを近づけてきた。

反射的に、身を引いてしまう俺。

【かなで】「なんで逃げるーっ?」

【孝平】「す、すみません」

そんなにむやみに、近づかないでほしい。

もっとドキドキしてしまう。

【かなで】「計ってあげるってば」

【孝平】「いえ、けっこうです」

【かなで】「遠慮しなくていいよ。ほら」

ずずいっ。

【孝平】「や、やめてくださいっ」

【孝平】「俺、今猛省中なんですからっ」

【かなで】「もうせいちゅう……?」

かなでさんは小首を傾げた。

何言ってんだコイツは、という顔だ。

【かなで】「どゆこと?」

【孝平】「ええと……だからですね」

【孝平】「その場の勢いというか、衝動に任せるのはよくない、と」

【孝平】「前回、反省したわけです」

【かなで】「???」

わからないのも当然だ。

これは、俺自身の問題だからだ。

……前回、かなでさんが俺の部屋に泊まった時。

俺は、決して紳士的とはいえないことをした。

かなでさんは、俺が初めてだったのに。

本当なら、もっとムードとかを大事にしなきゃいけなかったのに。

勢いというか、なし崩し的にあんなことをしてしまった。

かなでさんには申し訳ないことをしたと思ってる。

【孝平】「俺、もっといろいろ考えるべきでした」

【かなで】「へ?」

【孝平】「例えばホテルのスイートルームとか」

残念ながら、そんな金はない。

【孝平】「海の見える別荘とか」

そんな金はない。

【孝平】「とにかく、もっとムードとかシチュエーションを重んじるべきだったのに」

【孝平】「……すみませんでした」

ぺこりと頭を下げる。

【かなで】「こーへー……」

俺が言わんとしていることを、かなでさんも感じ取ったようだ。

いたたまれない時間が過ぎていく。

やがてかなでさんは、俺の手に手を重ねた。

【かなで】「謝らなくていいよ」

【かなで】「そっか、ムードかぁ。そんなこと考えてくれてたんだ」

にっこりと笑う。

【かなで】「わたしも、一緒に考えてあげられればよかったね」

【孝平】「いや、この前は俺が強引に……」

【かなで】「強引じゃないよ」

【かなで】「わたしだって、こーへーと、その……」

【かなで】「そーゆー風になれればいいな、って思ってたし」

【孝平】「そ、そうなんですか?」

こくん。

かなでさんは恥ずかしそうにうなずいた。

【かなで】「だから、こーへーが謝る必要なんてないの」

【かなで】「わかった?」

【孝平】「……はい」

少しだけ、肩の力が抜けた。

失望されてたらどうしようかと思っていたのだ。

やっぱり、かなでさんは器の大きな人だ。

俺の未熟で浅はかな考えも、丸ごと全部受け止めてくれる……。

【かなで】「……ちょっと、待ってて」

【孝平】「? はい」

かなでさんは立ち上がり、流し場の方へと向かった。

どうしたんだろう?

ひとまず二杯目の紅茶をカップに注ぎ、一息つく。

【かなで】「こーへー?」

しばらくしてから、かなでさんの声が聞こえた。

流しの方から、かなでさんが戻ってくる。

【かなで】「……」

【孝平】「……」

……。

…………。

【孝平】「えっ!?」

時が止まった。

思考回路が止まり、呼吸が止まった。

森羅万象、世界中のありとあらゆるものが停止した。

かなでさんが、素っ裸にエプロン姿で立っている。

【孝平】「か、かなでさん」

【孝平】「そんな格好してると、風邪ひきますよ……?」

俺は何を馬鹿なことを言ってるのだ。

でも、驚きすぎてそんなことしかコメントできなかった。

【かなで】「う……」

【かなで】「そう思うなら、早くあっためて」

【孝平】「はっ?」

【かなで】「も、もう、ヘンなこと言わせないでよ!」

【かなで】「こーへーが言ったんじゃない。ムードとかシチュエーションとか大事にしようって」

【孝平】「確かに言いましたけど……」

俺、こういうことを言いたかったんだっけ?

どちらかというと場所とか雰囲気とか、そういうことを言いたかったのだが。

【かなで】「あ……れ?」

【かなで】「わたし、なんか間違っちゃった?」

【孝平】「……」

【かなで】「……」

数秒ほど、見つめ合う。

かなでさんは「やっちまった」というような顔をしていた。

【かなで】「ご、ごめん」

【かなで】「すぐに着替えるから!」

【孝平】「待ってください」

脱衣所へと逃げようとするかなでさんの腕をつかんで、引き留めた。

【かなで】「……あ」

【孝平】「かなでさん、間違ってないです」

【孝平】「それで正解です」

ちょっとびっくりしたけど、嬉しいことには変わりない。

俺のために、かなでさんが試行錯誤してくれたのだ。

嬉しくないはずがなかった。

【孝平】「触っても、いいですか?」

【かなで】「う……うん」

【かなで】「んぁ……!」

エプロンの上から、乳房に触れる。

布地を通して、かなでさんの体温が伝わってきた。

【かなで】「あ……やっぱり、着替えてきた方が……」

【孝平】「駄目です」

ここまで来たら、もう引き返せない。

このまま前進するのみだ。

【かなで】「はぁっ、んっ……ぁ」

直に触るよりも、こっちの方がいやらしい気がするのはなぜだろう。

かなでさん、ナイスチョイスだ。

【孝平】「このエプロン、どうしたんですか?」

【かなで】「これは……掃除とかする時とかに使ってるの」

【かなで】「あ、汚くないよ? ちゃんと洗濯したから」

【孝平】「俺のために、洗っておいてくれたんですか?」

【かなで】「そ、そういうわけじゃないけどっ」

【かなで】「結果的には、そういうことに……」

快感をこらえているのか、だんだんと声が小さくなる。

そんなかなでさんが、たまらなくかわいらしい。

【かなで】「んぁ、あぁ……っ」

人差し指が突起を見つけ、その部分を重点的に弄った。

しだいに突起は硬さを増し、ぷっくりと浮き上がってくる。

【孝平】「……大きくなった」

【かなで】「な、なってないっ」

【孝平】「ほら」

乳首の根元をつまみ、きゅっと引っ張ってみる。

【かなで】「ん……!」

【孝平】「なってますよね?」

【かなで】「なってた……みたい」

俺が手を動かすたびに、ふるふると身を震わせる。

自分から、こんなに大胆な格好をしたくせに。

【かなで】「はぅ、ん……あぁっ、あぁ……」

乳房を手のひらですっぽりと包んで、円を描くように揉み回す。

同時に、その白いうなじに口づけた。

【かなで】「ひぁ、あっ」

舌で首筋を往復し、耳たぶへと移動させる。

たっぷりと唾液を乗せて、口に含んだ。

【かなで】「ひん……くすぐった……いよぉ」

【かなで】「もう、今日はここまで……っ」

俺がここまでにできないことは、かなでさんもよくわかってるくせに。

【孝平】「我慢してください」

【かなで】「そ……そんなっ」

【かなで】「あふぁっ、あふんっ」

浮き出た乳首を指で挟み、クニクニと刺激した。

……やばい、めちゃめちゃ興奮する。

もっともっと、恥ずかしいことをさせてしまいたくなる。

【孝平】「かなでさん」

【孝平】「エプロン、自分でめくれますか?」

【かなで】「え……」

ものすごく困った顔で俺を見上げる。

そんな表情も、さらに興奮を焚きつける火種となる。

【かなで】「……めくるの?」

【孝平】「はい」

【かなで】「……ぅ」

少し迷っている様子だ。

だが観念したらしく、かなでさんはエプロンの裾をつかんで持ち上げた。

【かなで】「うぅ、どうしてこんなことに……」

身体を抱く手を放したくないのか、口で裾をちょこんと咥えてみせる。

布地が取り払われ、なめらかな恥部があらわになる。

かなでさんは必死に脚を閉じて、その部分を隠そうとしていた。

【孝平】「綺麗です……すごく」

【かなで】「見なくていいからっ」

【かなで】「そういうところって、あんまり見るものじゃないと思うんだよ、わたし」

【孝平】「俺は見たいんです」

その場にしゃがみ、まじまじと陰部を観察する。

【かなで】「だ、だめ」

【孝平】「力、抜いてください」

両脚をつかみ、ゆっくりと左右に開いていく。

【かなで】「ふぅ、んっ……」

脚の隙間から割れ目が覗いた。

わずかに濡れているようにも見える。

【かなで】「やぁ……お願い……」

汗ばんだ太腿が手に吸いつく。

つるんとした、傷一つない綺麗な太腿だ。

顔を近づけ、膝からつけ根へと徐々に舌を滑らせた。

【かなで】「あ……あんっ……ああぁっ」

【かなで】「こーへーの息が、かかって……力が入らないよ……」

ほんのりと汗の味。

なめらかな舌触りが心地いい。

そのまま徐々に、秘所を目指していく。

【かなで】「だめ……やぁっ……あぁんっ」

ふっくらとした陰唇を舌先で割り、中心を探った。

ぺちゃ、と蜜に舌が埋まる。

【かなで】「ひああぁっ」

溢れた蜜を掻き出すようにして、舌を動かす。

ほんの少し潮気を帯びた、甘酸っぱい味が口内に広がった。

【かなで】「そ、そんなとこ、だめだよ……っ」

【孝平】「ちゅ……ぺちゃっ、ちゅっ」

舌を動かして派手な音を立たせると、かなでさんの膝がガクガクと震えた。

ぬめりを帯びた粘膜が舌を包んでいく。

内部はとても熱くて、俺まで一緒に溶けてしまいそうだ。

【かなで】「んく、んっ、あぁっ……もう、立ってられな……い」

かなでさんの腰をしっかりと押さえ、ヌチュヌチュと秘所を舐める。

愛液は止まることを知らず、トロトロと口内に流れていく。

【孝平】「んぷ……ちゅっ、いっぱい溢れてますよ」

【かなで】「だって……そんなに舐めたら、そうなっちゃうよっ……」

ヒダ全体が震え、俺の舌を奥へ奥へと誘い込む。

包皮をまとっていた陰核が、ぷくっと充血して自らを誇示した。

【かなで】「こーへーが、こんなにいやらしいなんて知らなかった……」

【孝平】「俺も、かなでさんがこんなに感じやすいなんて知らなかったです」

【かなで】「わ、わたしは、普通だよ……きっと」

【孝平】「こんなに濡れてるのに?」

クチュッ、ジュルッ……ヌチュッ……

【かなで】「ひあん、舌が……そんなに動いちゃうの……っ? あああぁっ」

一気に蜜が溢れ、こくこくと飲み込んでいく。

膣口はきゅっきゅと収縮を繰り返し、俺の舌を離さない。

【かなで】「ふあぁ、あっ、もう」

【かなで】「き、気持ち……いいっ……」

素直に快感を口にした。

【かなで】「って、なんてこと言わせるのっ……?」

嬉しくなって、もっともっと激しく舌を動かす。

【かなで】「ひゃん、ちょ、ちょっと」

【かなで】「んぁ、ずぶずぶって、入ってきてる……ああぁ、こーへー、んはぅっ」

今度は舌先を尖らせて上下に動かした。

膣道が蠢き、きつく舌を締め上げる。

俺の口と鼻は、かなでさんの汁でべちゃべちゃになっていた。

膣内を責めながら、指でクリトリスをつまんでみた。

【かなで】「あぁっ! ああんっ、ふあぁっ……!」

かなでさんの声がひときわ高くなる。

かなり感じているようだ。

【かなで】「だめぇっ、そこ触られると、ほんとにだめになっちゃう……!」

【かなで】「あぁ、はふぁっ、あぁぁんっ」

指の腹でクリトリスの先端を突く。

クチュクチュと、蜜の中で浮き沈みを繰り返す。

【かなで】「ねえ、一瞬待って、じゃないと……もうっ」

【かなで】「んはあぁっ、あぁ、こんなところで……あぁっ、あくあぁっ」

内部全体が激しく震えてきた。

【かなで】「あぁ、こーへー……あぁ、いき……そう……あぁんっ」

【かなで】「どうしようっ……はあぁっ、あぁ、あぁ、ひああぁっ」

【孝平】「いっていいですよ、かなでさん」

【かなで】「ほ、ほんとに、いっちゃうよ……? ふああぁっ、はふああぁっ」

ヒダを掻き分け、舌を奥までねじり入れる。

愛液の分泌が増し、内腿がぶるぶると痙攣し始めた。

【かなで】「はぁあん、いっちゃうから……ああぁっ、ひああぁ、あっ、んくはあぁっ」

【かなで】「やはあぁっ、あっ、いっ……ちゃうぅ、あひぁっ、はああああぁあぁっ!!」

【かなで】「あぁっ、あっ、ぁ……ああぁ……っ」

ビクン、ビクンと内部が動く。

かなでさんは荒い息を吐きながら、エプロンをぎゅっと握り締めた。

【かなで】「はぁ、はあぁ……はぁっ……んっ」

噴き出した愛液を一滴もこぼさないように、コクコクと飲み干していく。

まだ絶頂が続いているのか、膣内の痙攣は止まらない

【かなで】「はぁ……はぁ……っ」

【孝平】「気持ちよかったですか?」

【かなで】「う……。き、聞かなくても、わかるでしょ」

【孝平】「かなでさんの口から聞きたいんです」

【かなで】「そ、そういうのは、改めて言うことじゃないと、思う」

ちゅるっ。

もう一度舌を膣口に差し入れ、汁を舐め取った。

【かなで】「はぁんっ!」

【かなで】「いじわるしないでよ……っ」

そう言われれば言われるほど、いじわるしたくなってしまう。

それもこれも、かなでさんがかわいいのが悪い。

俺は舌を大きく出して、陰部全体をぺろぺろと舐め上げた。

【かなで】「あぁっ……! やん、あぁっ」

【かなで】「だ、だめ……あぁ、まだ、びくびくしてるのっ……あひぁっ」

逃げられないように、がっちりと腰を押さえつける。

幼い性器をすみずみまで探索し、小刻みに突いて刺激を与えていく。

【かなで】「ひぁ……あぁっ、あっ、んふぁっ」

【かなで】「わ、わかった、ちゃんと言うから」

【孝平】「気持ちよかったですか?」

【かなで】「き……気持ち……よかった……っ」

観念したように声を絞った。

羞恥心をあらわにした表情が、俺の欲望を煽る。

【かなで】「はあぁ……あぁ、はぁっ……」

【孝平】「かわいかったですよ、かなでさん」

【かなで】「……もう」

唇を尖らせて、俺を見下ろした。

【かなで】「どうしよう……」

【かなで】「大きい声出しちゃったから、廊下に漏れてたかも」

【孝平】「大丈夫ですよ。夏休みだから人も少ないだろうし」

【かなで】「そ、そうかな」

【孝平】「たぶん」

【かなで】「たぶんって、それじゃ困っちゃうよ」

確かに困るだろう。

何せ天下の風紀委員が、真っ昼間にこんないやらしいことをしているのだ。

バレたら大変なことになる。

だが、そんなスリルも興奮を高める因子の一つだ。

【孝平】「かなでさん、俺も……」

【孝平】「もう、我慢できなかったりするんですけど」

【かなで】「……ぇ」

かなでさんの視線が下りて、俺の下半身に留まる。

すでに猛り狂ったペニスが、ズボンを押し上げていた。

【かなで】「すごいことに……なってるね」

【孝平】「はい」

【孝平】「正直、困ってます」

【かなで】「じゃ、じゃあ……」

【かなで】「……する?」

俺はにっこり笑って、立ち上がった。

【かなで】「あ……こーへー……?」ベッドに移動し、かなでさんに四つん這いの格好をさせる。

垂れ下がったエプロンの裾が、かすかに揺れていた。

ここからだと、潤った陰部がはっきりと見える。

【かなで】「この格好は、恥ずかしすぎるよ……っ」

ぷるぷるとお尻を震わせて抗議する。

嫌そうな口振りのわりには、秘所からぽたぽたと愛液が垂れていた。

俺に見られているだけで、感じてしまうのだろう。

【かなで】「ねえ、どうしてもこの格好じゃなきゃだめ……?」

【かなで】「もっと、普通でもいいんじゃないかな」

【かなで】「ど、どうかな……?」

自信なさげに、どんどん声が小さくなっていく。

【孝平】「今日は駄目ですよ」

【かなで】「う……あっさり言っちゃうんだ」

【かなで】「んんっ、あっ」

開いた割れ目に、人差し指をあてがった。

そのまま前後にこすっていく。

【かなで】「ひぁ、やはぁ、んんっ」

淡いピンク色の秘肉は、少し刺激しただけですぐに赤く色づいた。

中指も追加し、二本の指で膣口をクニクニと愛撫する。

【かなで】「待って、あぁ、待って……ふあぁっ」

ずぷっ……!

【かなで】「ひっ、ああぁっ」

二本の指を、第一関節まで入れた。

とろとろにとろけた内部は、火傷しそうなほど熱い。

じっくりと、ねぶるようにして指を動かす。

【かなで】「くっ……ぁ……」

かなでさんの腰が妖しく揺らめく。

奥まで入れたいところをグッと我慢して、膣口周辺を優しく掻き回した。

【かなで】「ぁっ……う……うぁ」

【かなで】「も……もう、そんな風に、じらさないで」

か細い声で、かなでさんは俺に訴えた。

【かなで】「このままじゃ、苦しいよ……」

言われるまま、第二関節まで指を押し込んだ。

【かなで】「あぁっ……! あっ、ひあぁっ!」

かなでさんは腰を突き出し、大きく声をあげた。

もうお尻の穴までくっきりと見えてしまっている。

【かなで】「わ……これから、どうなっちゃうの……ふああぁんっ、あっ」

【孝平】「うぁ……っ」

膣全体がぎゅっと締まる。

すごい力だ。

その力に負けないように、ぐちゅぐちゅと指を回転させた。

【かなで】「ひぁ、動いて……る……あぁ、ひんっ、あっ」

【かなで】「やっぱり、もうちょっと手加減して……んくぁ、ああぁっ」

かなでさんは腰を揺らし、快感に身を委ねている。

汗ばんだお尻を撫で、その感触を味わった。

【かなで】「ねえ、もっとゆっくり……あぁ、はぁっ」

言われた通りに動きをゆるめると、今度はかなでさんの腰つきが激しくなる。

【かなで】「あ……ぅ……」

【孝平】「どうしたんですか?」

【かなで】「えっと……やっぱり……」

【かなで】「やっぱり、もっと、動かしてほしい……っ」

わがままな人だ。

【かなで】「あ……あぅっ」

指を引き抜くと、かなでさんの喉から切なげな声が漏れた。

俺の方を振り返り、物欲しそうな目で見る。

【孝平】「今、入れますからね」

深呼吸して、高ぶった気持ちを落ち着かせる。

自らのベルトを外し、ズボンのジッパーを下げた。

トランクスの中のペニスは、これ以上ないほど硬くなっている。

【かなで】「う……うん」

先走り汁が出て光ったペニスを取り出すと、かなでさんの顔が赤くなった。

その先端を、べとべとに濡れた陰部にグッと押しつける。

【かなで】「あ……はぁ、あふっ」

【かなで】「ひぁ、か、硬いよ……あぁ、んっ」

蜜壺に亀頭を差し入れ、棹に手を添えて円を描いた。

ジュプジュプと愛液が漏れ、ペニスに伝っていく。

【かなで】「こーへー……すごい、一つになってくの、わかるよ……」

【かなで】「奥に……来ていいからね」

俺はほんの少しだけ腰を押し進め、かなでさんの反応を窺う。

【かなで】「あ……っ」

【かなで】「もっと……っ」

【孝平】「でも、そんなに締めたら、これ以上は……」

かなでさんの中は、俺のペニスでぱんぱんになっている。

身動きできないほどきつく包囲され、俺は息を吐いた。

【孝平】「くっ……」

【かなで】「ひあ……っ、あうぁっ……!」

ずぶぶっ……!

【かなで】「やぁ……あああぁっ!」

腰を一気に進め、最深部に亀頭が到着する。

腹の中が急激に熱くなり、奥歯を噛み締めた。

……今、かなり危ないところだった。

【かなで】「あぁ、すごい……あくぁ、ああぁっ」

【かなで】「この格好だと、こんなに奥に入っちゃうんだ……」

俺の懸念をよそに、かなでさんは全力でペニスを締めつけてくる。

【孝平】「かなでさん、もう少しだけ力抜いてください」

【かなで】「むり……むりだよ、そんなの……」

【かなで】「自分でも、どうなってるかわかんないし……っ」

ペニスを飲み込んでいる膣口が、いやらしくヒクつく。

シーツには、二人の体液がいくつものシミを作っていた。

【かなで】「んはぁ、あぁ、こーへー、あぁぁっ」

俺の名前を何度も呼びながら、少しずつ腰を動かしてきた。

俺はかなでさんの背中に覆い被さり、汗のたまった背筋に舌を這わせていく。

【かなで】「ひあぁ、そーゆーことすると、ヘンな声出ちゃうでしょっ?」

【孝平】「ヘンな声が聞きたくてしてるんです」

【かなで】「やだ、恥ずかしいんだってば、ほんとにー……っ」

股間を直撃する快感に、我を忘れてしまいそうだ。

背中にむしゃぶりつきながら、ずぶずぶと腰をグラインドさせる。

一番奥で、二人がつながっているのを実感する。

【かなで】「んくぁ、あぁ、こーへー、もう……」

陰部に手を回し、クリトリスを弄りながらペニスを前後させた。

【かなで】「うぁっ、そこ……だめぇっ、反則だよ……っ」

内部がさらに熱くなり、滑りがいっそうスムーズになる。

【かなで】「そこは、むずむずしちゃうから……ぁっ」

先端が子宮口をノックすると、かなでさんはお尻をさらに高く上げた。

【かなで】「ひんっ……あぁ、もう……はあぁっ」

【かなで】「こんなに気持ちいいこと知ったら……困る」

【かなで】「……毎日したくなっちゃうよぉ」

頬を赤らめ、よだれを垂らし、思うままに腰を振っている。

いつもは元気いっぱいのかなでさんが、俺だけに見せる顔。

優越感に似た思いが胸いっぱいに広がってきた。

【かなで】「くはぁ、あっ……あぁん、んんっ」

【孝平】「かなでさん、あんまり欲張っちゃだめですよ」

【孝平】「もっとゆっくり、楽しみましょう」

【かなで】「こーへーだって、欲張ってるもん」

【かなで】「わたしよりも、こーへーの方が……っ」

【孝平】「じゃあもう、あんまり動かさない方がいいですか?」

【かなで】「う……」

【かなで】「そ、それは、困るかも」

本当に困ったようにつぶやいた。

肌を重ねれば重ねるほど、どんどん自分に正直になっていく。

そんなかなでさんが好きだ。

【孝平】「うぅ……っ」

俺は膝に力を入れ、リズミカルに腰を前後させた。

かなでさんの期待には、精いっぱい応えたい。

こみ上げる快感をなんとか制御しながら、子宮口を何度も刺激した。

【かなで】「うぁ、こーへーの、また大きくなったみたいだよ……?」

【かなで】「ぶるぶるって、震えてる……ふぁ、あっ」

【孝平】「エプロン、せっかく洗ったのに汚れちゃいましたね」

【孝平】「かなでさんの蜜で、こんなにべちゃべちゃになって……」

【かなで】「そ、そんなになっちゃってるの……?」

下から突き上げるようにして、陰部を貫く。

両手を乳房に回して、力強く揉みしだいた。

【かなで】「あふぁ、あぁ、ああぁ、やあぁんっ」

硬くなった乳首をつまんで、きゅっきゅと力を入れる。

湿った肌が手のひらに吸いついていく。

【孝平】「くっ……気持ちいいですよ、かなでさん」

下腹部に血がたまり、今にも爆発してしまいそうだ。

ただでさえ狭い膣道なのに、締めつけられたらたまらない。

【かなで】「すごいね……一緒に気持ちよくなれるんだね」

【かなで】「こんなに気持ちいいなら……もっと早くすればよかったのかな?」

恥じらった様子で、かなでさんは言う。

【孝平】「その分、これからたくさん気持ちよくなってください」

【孝平】「俺、頑張りますから」

【かなで】「えへへ……ありがとう」

【かなで】「わたし、こーへーとなら、どんなことしても……いいよ」

【孝平】「かなでさん……」

俺はかなでさんの下半身を抱きしめ、がむしゃらに腰を動かした。

透明の汁が接合部から噴き出し、俺の下腹部を濡らしていく。

【かなで】「ぁあっ、ひぁっ……あっ、あぁっ」

【かなで】「さっきよりもっと深いとこに、あたってるよ……あぁんっ」

かなでさんも、俺の動きに合わせてせわしなく腰を使ってきた。

乳房がふにふにと揺れ、乳首を伝って汗がシーツに落ちる。

【かなで】「ひあん、あぁ、はあぁっ……あっ、うぅ……んっ」

【かなで】「こーへー、もっとして……あぁ、いっぱい、して……っ」

膣壁がざわめき、強弱をつけてペニスを絞ってきた。

頭から下腹部まで、一気に甘いしびれが駆け抜ける。

性器と性器を密着させ、小刻みに中をほじくっていく。

【かなで】「あぁん……お腹の中、どんどん熱いのが広がってる……ああぁんっ」

ずちゅっ……ぬぷっ、ずぷぷっ……

淫猥な音が絶え間なく繰り返される。

【かなで】「熱い、あぁ、いい……んはぁ、あっ、あぁっ」

【かなで】「くふぁ、あぁ、あっ……また……またみたいだよ、こーへー」

【かなで】「さっき、いっちゃったばっかりなのに……ああぁ、また……っ」

膣内が激しく躍動し、その細い身体全体が震え始めた。

かなでさんは上半身をシーツに沈め、必死に何かをこらえている。

【かなで】「あ……ふぁ……んんっ……はふああぁっ……!」

【かなで】「ねえ、またいっても、いい? いっぱい、いってもいい?」

【孝平】「……もちろん。俺も、一緒に……」

俺は精いっぱい力を振り絞って、最深部に亀頭を叩きつける。

下半身に電流のような快感が走り、頭の中が真っ白になっていく。

【かなで】「あひぁ、あんっ、ああぁ、くっはああぁっ、あっ」

じゅぷ、じゅぷぷっ……ぬぷぅ……

肉と肉が激しくぶつかり合う。

【かなで】「ああぁ、こーへー、はふん、どうにかなっちゃいそう……あぁ、あっ」

【かなで】「いく……あふんっ、あぁぁっ、くはああぁっ、ひふぁっ」

俺も、もう限界を迎えようとしていた。

かなでさんの腰をがっちりと抱え、奥へ奥へと突き進む。

【かなで】「もう、あぁ、もう……いくぅ……ああぁっ、はひああぁっ」

【孝平】「俺も……っ」

【かなで】「んはぁ、あああぁっ、もう……ああぁっ、はふああああぁあっ」

【かなで】「わたし、ああぁ、いく……んんんっ、あああっ、んっはあああああぁっ……!」

びゅくっ、どぴゅぅ……びゅくくっ……!

俺はペニスを引き抜き、その白い背中へと欲望を放った。

これ以上ないほどの快感の連続に、肉棒がびくびくと痙攣している。

【孝平】「はぁ……はぁっ、はぁ……」

気の遠くなるような、長い射精感だった。

【かなで】「ふあぁ……あ……はぁ……っ」

背中に熱い精を受けたかなでさんは、ぶるぶると身震いをする。

【かなで】「熱い……。はぁ……あぁ……」

背中だけでなく、髪の毛にもべったりと精液が付着してしまった。

……相当、たまっていたらしい。

まだ先端からトロトロと精液が垂れてくる。

【かなで】「なんか……背中が、あったかい……」

【孝平】「す、すみません」

【孝平】「その……けっこう、出てしまいまして」

【かなで】「……そうなの?」

かなでさんは自分の背中を見ようとして、ぐっと身体をひねる。

【孝平】「あ、動かないでください。大惨事になりますから」

【かなで】「えぇっ……」

かなでさんは全身を固まらせた。

俺はそばにあったティッシュを取り、背中からこぼれそうになる精液を受け止める。

【かなで】「はあぁ……」

恍惚とした表情で、かなでさんはため息をついた。

【孝平】「大丈夫ですか?」

【かなで】「うん」

【孝平】「早めにシャワー浴びた方がいいかもしれません」

【孝平】「その、髪にもついちゃったんで、乾くと大変なことに」

【かなで】「うん……でも」

【かなで】「ふわふわして、すぐには動けないよ」

全身を弛緩させ、かなでさんはこちらに微笑みを向けた。

【かなで】「こーへー」

【孝平】「はい?」

【かなで】「気持ちよかった。えへへ」

【孝平】「……俺もです」

なんだかものすごく照れくさい。

【かなで】「ねね、こーへー」

【かなで】「ちゅーして。ちゅー」

かなでさんは唇を尖らせ、手足をばたつかせた。

いきなり甘えモードが発動したようだ。

【かなで】「早く~」

【孝平】「はいはい」

精液をあらかたふき取ってから、俺はかなでさんの隣に寝そべった。

ツンと突き出した唇に、ちゅっと軽く唇を合わせる。

【かなで】「もっと」

不満げに催促され、もう一度キスをした。

【かなで】「もっと~」

【孝平】「かなでさんって、実は甘えん坊ですよね」

【かなで】「そんなことないよ?」

【孝平】「そんなことあると思いますけど」

【かなで】「おかしいなー」

【かなで】「これでもクールビューティー目指してるんだけど」

【孝平】「誰が?」

【かなで】「わたしが」

【孝平】「ぶはっ」

遠慮なく噴き出した。

【かなで】「ちょっと失礼じゃない?」

【孝平】「だって、ありえないですもん」

【かなで】「何よー、もう」

ふてくされた顔で、俺を見る。

その表情がかわいらしくて、再びキスをした。

今度は長めのキスだ。

【かなで】「ん……ふぅ……」

舌を絡ませ、身体を抱き寄せる。

世界で一番幸せなキス。

二人の境がなくなり、一緒に溶けていく感じ。

【かなで】「こーへー……好き」

【かなで】「誰よりも、好きだからね」

【孝平】「はい」

【孝平】「俺も、世界で一番かなでさんが好きです」

そう囁くと、かなでさんは満足げな顔で抱きついてきた。

そのぬくもりを、大切に受け止める。

窓から射す温かい光に包まれながら、そのままずっとずっと抱き合っていた。

//August 7//

その日、俺とかなでさんは談話室にいた。

ケヤキの世話が一段落し、お茶を飲もうとしたところで勢いよくドアが開く。

【女子生徒A】「寮長、穂坂ケヤキが切られるって本当ですかっ?」

【女子生徒B】「私たち、絶対反対です!」

【女子生徒C】「はんたーい! 署名運動しましょうよ!」

女子たちがかなでさんに駆け寄った。

みんな真剣な様子だ。

【かなで】「ありがとう、みんな」

【かなで】「でもまだ、切るって決まったわけじゃないから安心して?」

【女子生徒A】「なーんだ、そうだったんですか」

【女子生徒B】「よかったー」

【女子生徒C】「危うく暴動起こすところでしたよ」

穏やかじゃない発言だ。

でもそれだけ、みんなもあのケヤキのことを大切に思っているということ。

何せ「願いの叶う木」だ。

伐採反対を唱える寮生の多くは、やはり女子。

恋の願いをあの木に託してきた人たちなのだろう。

【女子生徒A】「でもあたしたち、いつでも戦う準備はできてますから!」

【女子生徒B】「デモでもなんでもやりますから、いつでも呼んでください」

【女子生徒C】「絶対ですよ、寮長っ」

【かなで】「おおー、頼もしいなあ」

【かなで】「わかった。もしもの時はみんなの力を借りるからよろしくね」

【女子生徒たち】「はーい♪」

ばたばたばたばたばたっ

風のように現れ、風のように去っていった。

【孝平】「……今日はこれで3組目ですね」

【かなで】「うん」

【かなで】「なんか嬉しくなるよね。みんなも同じ気持ちなんだーって思うとさ」

ケヤキ伐採の噂は、日に日に広まっている。

中庭に顔を出す寮生たちも増えてきた。

枯れ枝がようやく芽吹いたことを話すと、みんな一様に喜んでくれた。

……。

これで、もっと新芽が増えてくれれば。

時間が欲しい。

せめて、かなでさんが寮長を退任するまでは。

夕方。

いつものようにシャベルを持参し、中庭に向かう。

今日はケヤキ周辺の土に腐葉土を混ぜる作業だ。

【孝平】「……あ」

中庭には、珍しい先客がいた。

東儀先輩だ。

【孝平】「こんにちは」

【征一郎】「ああ、支倉か」

東儀先輩は一人、ケヤキを見上げていた。

まさか恋愛祈願をしに来たわけではないだろう。

俺はシャベルを置き、東儀先輩の隣に立った。

【孝平】「東儀先輩、見てください」

【孝平】「この枝に芽が生えたんです」

新芽を指さすと、東儀先輩は目を細めた。

【征一郎】「本当だ」

【征一郎】「ほかには?」

【孝平】「いえ、これだけです」

芽吹いた箇所は一つだけ。

あれから毎日じっくりと観察しているが、それ以上の成長は見られなかった。

……俺がずっと気にかかっているのはそれだ。

唯一生えた芽も、なかなか大きくなってくれない。

ただの気まぐれのように、ちょこんと枯れ枝を彩っているだけ。

【征一郎】「……これだけか」

駄目押しするようにつぶやく。

【孝平】「まだまだ、これからですから」

【孝平】「時間をかければ、もっと元気になります」

自分に言い聞かせるように言った。

だが、東儀先輩はそれ以上何も言わず、ただじっと新芽を見つめているだけだった。